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建築士と設計士の違いとは?仕事内容や年収にはどのくらい差がある?

建築士と設計士の違いとは?仕事内容や年収にはどのくらい差がある? 画像素材:PIXTA

建築業界の仕事のなかには「建築士」と「設計士」があります。どちらも建築物や建造物の設計を行う仕事で、求人広告などではあまり区別がないように見えますが、実際にどのように違うのでしょうか?今回は仕事内容や年収についてなど、2つの違いを紹介します。

「建築士」と「設計士」の違いとは?

「建築士」と「設計士」の1番の違いは資格の有無です。「建築士」は国家資格である一級建築士や二級建築士の資格を保持していないと名乗ることはできません。一方で、「設計士」という資格はありません。

ただし実際は、求人広告などで「設計士」の募集で「建築士」の資格が求められているケースも多く、「設計士」と「建築士」は同義で使われることも。少々ややこしいかもしれませんが、基本的に「建築士」の募集では国家資格のない人が応募することはできません。

「設計士」として実務経験を積みながら「建築士」の資格取得を目指すのも一般的。「設計士」は「建築士」のたまごのような仕事という解釈もできます。

「設計士」の基本的な仕事とは?

「設計士」のメインの業務は、建築物の設計図を作成することです。設計図を作成するまでには、クライアントの要望のヒアリング、施工会社との打ち合わせ、建設許可などの行政の手続き、施工が始まってからは現場管理や進行管理業務など、さまざまな業務が発生します。ただし、「設計士」は「建築士」より扱える建築物の範囲が狭いため、実際は「建築士」と一緒に業務を進めていくことが多いでしょう。

取り扱いできる建築物の違いは?

建築士と設計士の違いとは?仕事内容や年収にはどのくらい差がある? 画像素材:PIXTA

「建築士」と「設計士」は、クライアントの希望をヒアリングし建造物や住宅の設計・施工管理を行うのが主な仕事です。ただし前述した通り資格の有無により扱うことができる建築物の範囲が違います。一級建築士、二級建築士、設計士の業務範囲は以下の通りです。

一級建築士

取り扱い範囲に制限はないので、病院、高層ビル、商業施設などを含めたあらゆる建築物の設計が可能です。

二級建築士

高さが13メートル、軒下9メートル以下、3階建て以下の延べ面積が300平方メートル(木造の場合は1000平方メートル以下※例外あり)以下の建物であれば取り扱いが可能(※2023年6月時点。2025年4月以降は高さ16メートル以下へと拡大される予定)。戸建住宅程度の規模であれば、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造を問わず設計することができます。

設計士

30平方メートル以下(木造は100平方メートル以下)2階建て以下の建築物は無資格で設計が可能。これが資格のない設計士が取り扱える建築物の基準となります。 設計士は資格がなくても設計可能な建築物を扱うか、建築士の補佐的なポジションでクライアント対応や設計、事務仕事を行うのが一般的です。

参考:国土交通省 建築関係法の概要

年収の違いは?

「建築士」と比較すると「設計士」の平均年収は低い傾向。所属する企業の規模によって大きく変わりますが、「設計士」の場合は400〜800万円程、一級建築士の資格を持つ「建築士」の場合はおよそ600〜800万円といわれています。

「設計士」からキャリアアップするためには?

「設計士」になるのに必要な資格はありませんが、専門知識が必要となるため、建築系の大学や専門学校で学んだ後に設計事務所や住宅メーカーなどに就職するのが一般的。一級建築士になるためには、少なくとも2年以上の実務経験が必要であるため、「設計士」として実務経験を積みながら最終的に「建築士」の資格取得を目指すケースが多いでしょう。

例外として、小規模の建物を扱う企業やリフォームをメインとする企業などで、未経験から設計業務に携わることも可能なので、そういった企業で勉強しながら経験を積みキャリアアップや年収アップを狙うという道もあります。

建築業界の仕事に憧れている方は、こうした「建築士」と「設計士」の違いを理解して、今後のキャリアについて考えてはいかがでしょうか?

FAQ:建築士と設計士の違いについてよくある質問

Q1:資格なし・未経験でも「設計士」として働けますか?

A:はい、働けます。「設計士」という名称に法的な資格要件はないため、無資格でも名乗ることが可能です。ただし、扱える建築物の規模に制限があるため、実務では有資格者の建築士のサポート業務や、資格が不要な小規模建築物の設計からキャリアをスタートさせるのが一般的です。

Q2:建築士と設計士では、担当できる仕事内容はどう違いますか?

A:最も大きな違いは「建物の規模」と「用途」です。一級建築士はあらゆる建築物の設計が可能ですが、資格を持たない設計士は、一定規模以下の木造住宅などに限定されます。大規模なビルや商業施設に携わりたい場合は、建築士(特に一級建築士)の資格取得が必須となります。

Q3:建築士と設計士の年収に差はありますか?

A:一般的に建築士の方が高い傾向にあります。設計士の年収目安は400〜800万円程ですが、一級建築士は600〜800万円程と言われています。企業によっては資格手当が支給される場合も多く、設計士として実務経験を積みながら建築士資格を取得することで、年収アップを狙うことが可能です。

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