日本を代表するインテリアデザイナーは、どんな学校を卒業している？

インテリアデザイナーとして世界的な成功を収めるために、学歴はどのくらい影響するのでしょうか？確かに有名大学を卒業すれば就活は有利になり、修業先の幅も広がりそうですが、結局のところ実力さえあれば認められる業界でもあるはず。今回は、実際に著名なインテリアデザイナーは、どのような環境で基礎的な知識を身に着けたのか、その功績と出身校をリサーチしました。

長大作／東京美術学校（現在の東京藝術大学）建築科出身

和洋折衷の多彩な家具をデザインした日本を代表する建築家・家具デザイナーのひとり。1960年の第12回ミラノトリエンナーレで発表した「低座椅子（パーシモンチェア）」が代表作であり、ジャパニーズモダンの名作としてマイナーチェンジを繰り返しながら、現在まで愛される超ロングセラーになっています。

そんな日本デザイン界の重鎮として名を馳せた長大作氏の出身校は、東京美術学校。国内で唯一の国立総合芸術大学である東京藝術大学の前身です。東京藝術大学は「国公立五芸大」の1つに数えられ、建築のみならず日本の芸術大学の最高峰として広く知られています。長大作氏は、卒業後もル・コルビュジエの弟子である坂倉準三氏の事務所に在籍するなど、トップクラスの環境で技術や知識を身に着けたようです。

佐藤オオキ／早稲田大学理工学部建築学科出身

デザインオフィス「nendo」の代表を務めるデザイナー&建築家。2012年、デザイン界のアカデミー賞と呼ばれる『EDIDAデザイナー・オブ・ザ・イヤー』を35歳という世界最年少で獲得するなど、世界的な評価を集めています。東京2020オリンピックでは、聖火台のデザインを担当するという重役も担いました。

有名家具メーカーとコラボレーションした家具や照明も多数。作品はフランスのポンピドゥー・センター、ニューヨーク近代美術館、イギリスのビクトリア＆アルバート博物館などにも多数収蔵されているほどです。

佐藤オオキ氏の最終学歴は早稲田大学大学院理工学研究科。出身校である早稲田大学の理工学部・建築学科は、なんと首席で卒業しています。大学院を卒業するとともに「nendo」を立ち上げるなど、若くして頭角を現した才能あふれる人物と言えるでしょう。

内田繁／専門学校桑沢デザイン研究所出身

神戸ファッション美術館をはじめ、オリエンタルホテル広島、ザ・ゲートホテル雷門、茶室「受庵 想庵 行庵」、ザ・クレストタワーなどの内装を手掛けたインテリアデザイナー。作品の一部はメトロポリタン美術館、コンラン財団、M+美術館、デンバー美術館に永久コレクションとしても収蔵されています。

出身校の桑沢デザイン研究所は、ドイツのバウハウスの影響を受けて設立された日本初と言われるデザイン専門の教育機関。インテリアだけでなく、ファッションやグラフィックといった多岐にわたるデザイン業界で、数多くの著名人を世に送り出しています。

2008年、内田繁氏は母校であるデザイン研究所の第9代所長にも就任。2013年には旭日小綬章を受賞するなど、日本のインテリアデザイン業界に与えた影響も大きく評価されました。

片山正通／学校法人大阪デザイナー専門学校出身

株式会社ワンダーウォールの代表として国内外で高く評価されているインテリアデザイナー。ニューヨークや上海にあるユニクロの旗艦店をはじめ、パリの老舗であるプランタン百貨店、NIKE原宿など世界各地で、インテリアデザインを主軸にしながら空間や建築のディレクションも行っています。

2011年からは武蔵野美術大学空間演出デザイン学科の教授にも就任していますが、意外にも最終学歴は大阪デザイナー専門学校。有名大学などを卒業せずとも、しっかりと実力を身につけ実績を積み上げれば教授に抜擢されるほど認められる、インテリアデザイン業界が実力主義であることを実証する人物とも言えるでしょう。

インテリアデザイナーのスタートラインはさまざま

実際にインテリアデザイナーとして働くなかで学歴が問われることはほとんどありません。確かに、就職活動に少なからず影響するほか、学生時代の知識や交友関係が仕事のなかで役に立つ場面もありますが、それ以上に専門知識や実際の現場で身につけた経験が重要です。インテリアデザイナーとしてのキャリアでより高みを目指すのであれば、転職なども視野に入れて経験を積んでいきましょう！

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