公開日:2025年6月4日
(更新日:2025年6月4日)
画像素材:PIXTA
建築士や空間デザイナー、インテリアコーディネーターなど、建築業界で活躍するクリエイターにとって、転職時に提出するポートフォリオは自己アピールの最重要ツールです。
工夫を凝らして作り込めば、他者と差をつける強力な武器になります。ただし、単に作品を並べるだけでは、採用担当者やクライアントの心を掴むのは難しいもの。そこで今回は、ポートフォリオにストーリーテリングを取り入れて自己PRを際立たせる方法を解説します。
自己紹介やスキル、実績を効果的に伝える書き方をご紹介しますので、本記事を参考に、あなたのポートフォリオを一歩抜き出たものに仕上げましょう!
なぜポートフォリオにストーリーテリングが必要なのか?
採用担当者やクライアントは、ポートフォリオで作品を見る際、完成度をチェックするだけでなく「デザインが生まれた経緯や理由」「作品に込められた想い」などの背景も知りたいと考えるもの。
ポートフォリオにストーリーテリングの要素を加えて、作品が出来上がるまでのプロセスや制作者のクリエイティブな思考も伝えると、見た相手の感情にまで深く訴求できます。ポートフォリオは、単なる「作品集」で終わらせず「クリエイターの物語」へと進化させるつもりで作成しましょう。
次の項目では4つに分けて、ストーリーテリングを付加したポートフォリオの書き方について紹介していきます。
効果的に魅せるポートフォリオの構成
ストーリーテリングの効果を十分に発揮するために、まずはポートフォリオ全体の流れを設計しましょう。構成例を以下にまとめますので、ぜひ参考にしてください。
1. 導入
自己紹介を通じて、専門分野や目標などクリエイターとしての概要を伝える。
2. 作品紹介に関連付けたスキルのPR
これまで自分が手掛けた代表的なプロジェクトを3~5件、ストーリー形式で紹介することで、習得したスキルをアピールする。
3. 実績の紹介
使用できるツールや理解を深めた専門知識について言及。課題の解決やお客様の要望に対して取り組んできた、プロセスや成果についても述べる。
4. 締めのメッセージ
仕事や会社に対する熱意を記す。転職への意欲を示すために、連絡先の記載も忘れずに。
ポートフォリオにストーリー性を持たせる際のポイント
自己紹介では、目標の提示や共感を呼ぶ一文で印象づける
ポートフォリオの冒頭には、自己紹介を簡潔かつ印象的に配置しましょう。自己紹介は、個性と強みを担当者やクライアントに伝える第一歩です。
自己紹介にストーリーテリングを加えるためのポイント
- 自分の専門分野を簡潔に記載する(例:空間デザイン、色彩設計など)。
- どんなクリエイターを目指しているのか、明確に伝える(例:「和モダン建築が得意な一級建築士としてスキルアップしていく」「インテリアコーディネーターとして、カフェやレストランに特化したプロフェッショナルを目指す」など)。
- 採用担当者の共感を呼ぶ一文を加える(例:「お客様の価値観や夢を深く理解したうえで設計し、時を経ても笑顔で過ごせる空間を創り上げたい」など)。
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スキルの説明には貢献エピソードや成果の事例を添える
スキルのアピールで採用担当者の感情を揺さぶるには、単なる箇条書きは避けるべき。これまで携わってきたプロジェクトでのエピソードを添えるなどし、ストーリー性を持たせましょう。スキルをストーリー形式で伝えることで、採用担当者やクライアントが求職者の能力をより具体的にイメージできます。
スキル執筆の流れ
ステップ1/自分が習得したスキルを絞り込む
例えばCAD、3Dモデリング、色彩設計など、職種に応じて主要なスキルを2~3つ選びます。
ステップ2/エピソードを交える
自分が身につけてきたスキルを活かして、どのようなプロジェクトのどんな場面で貢献してきたか、具体的な体験談を書きます。
ステップ3/成果を強調
スキルを発揮した結果について言及。お客様に喜んでもらえた時の声や、プロジェクトで成功した事例などを、簡潔に述べます。
スキルの書き方:例
都内でカフェの空間デザインを手掛けた際、3Dモデリングを活用。お客様が希望した『開放感』を立体的に可視化したうえで打ち合わせしたことが奏功し「思い描いた通りの仕上がりで、夢が叶った」と喜ばれました。また、無駄を省いたレイアウトになるよう設計を工夫したことで、席数を20%増加させることができ、売上アップに貢献しています。
実績の紹介にストーリーを吹き込む
実績の紹介欄も、ただ単に作品の図面や写真を載せるだけでは不十分です。実務で使いこなせるツールや培った専門知識も交えて、作品の解説を行いましょう。また、求職者側の思考プロセスと問題解決能力に対して、採用担当者からより深い理解を得るために、それぞれの作品にストーリーを吹き込むことも大切です。
実績を掲載するうえで、下記の3点を意識して説明を盛り込むと、ストーリー性を持たせやすくなります。
1.課題
・担当したプロジェクトが直面していた問題点
・お客様からの要望
2.プロセス
・どのように問題点に取り組み、どんな経緯で解決したか
・お客様の要望に応えるために努力したこと
3.成果
・完成した作品がもたらした効果
・お客様からの喜びの声
ストーリーテリングを駆使してポートフォリオを輝かせよう
ポートフォリオは、クリエイターとしての能力やスキルを訴求する重要なツールです。ストーリーテリングを用いて自己紹介やスキル、実績を述べることで、個性や実力、成果などがリアルに伝わり、求職者の強みをよりイメージしやすくなります。今すぐポートフォリオを見直し、採用担当者の心に響くストーリーを紡いでみませんか?
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