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採用担当者が面接で聞いてはいけないタブー例は?「どんな家に住んでるの?」もNG。

採用担当者が面接で聞いてはいけないタブー例は?「どんな家に住んでるの?」もNG。 画像素材:PIXTA

企業により採用面接の内容はさまざま。人材を見抜くための質問は大切ではありますが、職業安定法などによって聞いてはいけない「いくつかのタブー事項」が定められているのをご存知ですか?今回は、インテリア&建築業界において面接でつい聞いてしまいそうな質問事例も含め、採用に関わる人が知っておきたい「面接で聞いてはいけないこと」について解説します。

採用選考では基本的人権を尊重した公正な選考が求められる

厚生労働省の示す指針では、採用選考では「公正な採用選考」を行うことが求められています。「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」を考慮し、面接や選考を行わなくてはいけません。

具体的には、出生や家族、生活環境に関することなど本人に責任がないことや、本人の思想や信条に関することを採用基準としないように注意が必要です。厚生労働省により、具体的に配慮すべき内容も定められています。

厚生労働省 公正な採用選考の基本

採用選考に配慮すべき事項

厚生労働省では、採用選考に配慮すべき事項として以下の事項を挙げています。

(1)本人に責任のない事項の把握

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
  • 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
  • 生活環境・家庭環境などに関すること

(2)本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握

  • 宗教に関すること
  • 支持政党に関すること
  • 人生観、生活信条などに関すること
  • 尊敬する人物に関すること
  • 思想に関すること
  • 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

基本的に上記に該当する事柄については面接で質問してはいけません。応募者が職務遂行上必要な能力や適性をもっているかどうかを基準に質問をするべきで、それらに関係のないことを聞くのはタブーです。

インテリア・建築業界の採用でつい聞いてしまうNG質問

採用担当者が面接で聞いてはいけないタブー例は?「どんな家に住んでるの?」もNG。 画像素材:PIXTA

インテリア・建築業界の採用選考の面接においても、中には気をつけないとついうっかり聞いてしまいそうな事柄があります。

「本人に責任のない事項」に関することでは、例えば「お父さんのお仕事は?」「ご両親もインテリアや建築関係のお仕事をされているの?」「兄弟は?」などの質問も本人の能力や適性とは関係がないのでNGです。

また、建築やインテリア業界で気をつけたいのが、住環境に関することです。「どんな家に住んでるの?」「持ち家?賃貸?」「住まいはマンション?一軒家?」などは、つい聞いてしまいそうな質問です。しかし「間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設」といった住環境に関する質問も、本人の能力及び適性と関係がないことなので聞いてはいけません。

「愛読書は?」「尊敬する人物は誰ですか?」「座右の銘は?」などの質問も注意が必要。建築やインテリア業界への興味の度合いを聞き出すつもりでも、結果的に思想や信条を探る質問となりかねないため、面接時の質問としては避けた方が良いでしょう。

面接時に不適切な質問をしてしまった場合のリスク

採用面接の際に不適切な質問をしてしまった場合には、行政指導や業務改善命令の対象となります。場合によっては、6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が課されることも。昨今ではSNSやインターネットの影響が大きくなっており、SNSなどで自社の信用低下を招く投稿がなされるなどのリスクもあるでしょう。

もちろん「悪意がなく知らずに不適切な質問をしてしまった」という場合でも、これらのリスクは避けられません。

採用や人事の担当者が知っておくべきことであるのはもちろんですが、一般社員や経営者が面接することもあると思います。この記事を機会に、会社全体で周知するのも良いのではないでしょうか。

FAQ:採用面接のNG質問についてよくある質問

Q1:採用面接で応募者の人柄を知りたい場合、NG質問の代わりにどのような質問が効果的ですか?

A:応募者の人柄を知るには、過去の行動経験に基づく質問が有効です。例えば「チームで困難を乗り越えた経験」や「仕事で最もやりがいを感じた瞬間」などを尋ねることで、価値観や仕事への姿勢が見えてきます。思想信条に触れる質問ではなく、あくまで職務に関連する具体的なエピソードを聞き出すことが重要です。

Q2:面接中にうっかり不適切な質問をしてしまった場合、どのように対応すればリスクを最小限にできますか?

A:万が一NG質問をしてしまった場合は、その場で速やかに謝罪し、質問を撤回することが重要です。そして、その質問が選考に一切影響しないことを明確に伝えてください。選考の公正性を保つ姿勢を示すことで、応募者の不信感を和らげ、企業の信用低下リスクを最小限に抑えることができます。

Q3:採用面接で「尊敬する人物」や「愛読書」について質問するのがNGなのはなぜですか?

A:「尊敬する人物」や「愛読書」に関する質問は、応募者の思想や信条を探ることにつながる可能性があるため、厚生労働省の指針で不適切とされています。業務遂行能力とは直接関係がなく、個人の自由であるべき領域に踏み込む質問と見なされるためです。採用選考は、あくまで応募者の適性や能力を基準に行う必要があります。

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