公開日:2024年5月30日
(更新日:2024年5月30日)
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手間と時間をかけて育て上げた人材が独立してしまうと、スキルが重要な設計事務所にとっては大きな損失となります。しかし独立志向の社員はスキルアップに対して意欲的であり、優秀な人材へと成長する伸びしろもあるでしょう。
独立希望の人材を採用し、独立後も支援制度でサポートすることは、企業側にとってもメリットは多いです。そこで今回は、設計事務所で独立支援制度を導入するメリットや、その手順などについて解説していきます。
そもそも独立支援制度とは?
独立支援制度とは、社員が会社で経験を積んで独立した後、会社の経営手法、商標、ブランドなどを用いて事業経営することを許可する制度です。設計事務所が独立者に支援する場合は、主に独立に向けた相談対応、開業資金の援助、事業運営に対するノウハウやアドバイスの提供などが想定されます。定期的な仕事の依頼、各種書類の作成サポートを行う会社もあり、独立支援の内容は多岐に渡るでしょう。
一般的な独立支援制度の場合、独立者は支援を受ける代わりにロイヤリティや加盟金を会社に支払う仕組みが多いですが、建築業界の場合は委託する仕事の利益から中間マージンや仲介手数料を差し引くケースが慣習になっています。
独立希望者の採用や独立支援制度のメリット
独立希望者は、スキルアップに貪欲で仕事に対する意欲や目的意識も高いため、採用することで会社にとって多大な利点があります。ただし利益率が低い会社の場合、優秀な人材がスキルアップした後の能力に見合う水準までキャリアや給与を上げきれず、社員の士気を損ねてしまうかもしれません。こんな時、独立支援制度があれば、経営者へとステップアップするビジョンのある会社だと明示でき、社員のモチベーション向上につながります。
優秀な人材へと育て上げたあとでも、他へ流出させずグループ内に留めておけて、定着率がアップするのも、独立支援制度のメリットです。独立者を多く輩出し、独立支援制度や会社の魅力を求職者に伝えていけば、優秀な人材をさらに確保しやすくなるという好循環も生まれるでしょう。
また、独立者の経営会社が複数になると、同一の意識を持つグループ全体で競争力が高まります。仕事を請け負うことのできるキャパシティも広がり、経営基盤がより強固なものとなるほか、社会情勢や環境の変化によるリスクを分散することにもつながるでしょう。
独立支援制度の導入に向けた準備の仕方
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まずは独立支援制度を適用する人材の条件を定めましょう。例えば、「会社の理念に共感している」「経営者としての資質がある」など、仕事に対する価値観や将来性を指標にする方法があげられます。会社にとってどのような人材を育成・支援し、独立した後も関係を続けていきたいかを検討するとよいでしょう。
続いて、会社が支援する内容や独立方法を決めていきます。 内容は先述の通り「経営手法の提供」「独立後のアドバイス」をはじめ多数あるため、何をサポートするか明確にして支援体制を整備しましょう。独立方法には、独立者が自分の資金で企業を立ち上げるほか、系列会社を貸し出す(または売却する)など、さまざまなパターンもあります。会社と独立者どちらにも利益が出て、両者が納得する支援体制を築くことが大切です。
必要事項が決定した後、上記で決めた内容や独立者に守ってもらいたい事柄を盛り込んだ契約書類の作成をおすすめします。独立支援制度の利点を全社員に周知したうえで、ホームページなどで社外にも魅力を伝えるのも良いでしょう。個々の将来のビジョンを考えるなど、社員が独立に関心を持つきっかけとなる機会を定期的に設けることも重要です。
独立支援制度を成功させよう
独立支援制度は、会社や事業を発展させていくために有効な手法です。会社と独立者が信頼関係を築き合い、どちらにもメリットがある制度として整えることで、成功へとつながります。制度はあっても利用者がいなければ意味がないため、社員に魅力を訴求しつつ、求職者にもしっかりとアピールしましょう。
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