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施工管理技士の受験資格が改正!変更内容や合格率の変化は?

施工管理技士の受験資格が改正!変更内容や合格率の変化は? 画像素材:PIXTA

施工管理技士の志望者が昨今、女性を含めて増加中ではありますが、建設業界は少子高齢化の影響でまだまだ人手不足です。有資格者を増やして足りない人材を補っていくために、2024年4月1日から施工管理技術検定の受検資格が改正されました。新たな受験資格は具体的にどのような点が変更され、検定の合格率はどれくらいなのでしょうか。

施工管理技術検定の新たな受験資格

■<1級>受験資格の変更点

1級は従来、学歴に応じて卒業後に3年~15年の実務経験を要し、2級を保有している場合は合格後に5年の実務経験が必要でした。改正後は、一次検定の受験資格が「年度末の時点で19歳以上」となり、学歴を問わず年齢条件だけで受験できるように。1級の二次検定は、1級一次検定に合格後(2021年度以降が対象)または2級二次検定に合格後(2020年度以前も可)に「実務経験」「特定実務経験1年以上を含む実務経験」「監理技術者補佐としての実務経験」を所定の年数積むことで、受験資格を得られます。

特定実務経験とは、4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の請負工事で、主任技術者や監理技術者(当該業種の監理技術者資格者証を持つ者)に指導を受けた経験。または、自らが主任技術者・監理技術者を担った経験です。

■<2級>受験資格の変更点

2級一次検定の受験資格は「受験する年度末の時点で17歳以上」で、従来のまま変更はありません。二次検定は従来、学歴に応じて1年~8年以上の実務経験が必要でしたが、改正後は学歴を問わず、必要な実務経験の年数が「1級第一次検定に合格後、実務経験1年以上」「2級第一次検定に合格後、実務経験3年以上(建設機械種目の場合は2年以上)」(2021年度以降の一次検定が対象)と、短くなっています。

■二次検定は2028年まで新旧どちらかの受験資格を選択可能

1級一次検定の受験資格が「19歳以上」という年齢制限のみになったことで、2級を経ずに最初から1級を受けることも可能となりました。一次検定に合格すると「技士補」になれるため、転職・就職に有利となり実務にも役立ちます。

1級も2級も、二次検定の受験資格となる実務経験は「卒業後」からではなく「一次試験の合格後」から必要に。学歴は1級・2級どちらも関係がなくなり、必須の実務経験年数が従来より短縮されたことで、若い世代にも門戸が開かれるようになりました。なお2024年から2028年まで行われる二次検定では、改正前の受験資格と新たな受験資格、どちらかを選択可能です。

■受験資格を得るための実務経験として認められる工事

二次検定を受けるのに必要な実務経験に該当する工事については、新受験資格の内容と共に、国土交通省のホームページでご確認ください。原則として、検定の種目に対応した建設業種が、実務経験に該当します。検定種目が複数に及ぶ建設業種の工事の場合は、複数の検定種目の実務経験として申請可能です。

令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります(国土交通省)

2級建築施工管理技士の合格率や女性の志望者が増加

施工管理技士の受験資格が改正!変更内容や合格率の変化は? 画像素材:PIXTA

2024年7月10日に、新受験資格の導入後に初めて行われた検定の合格率が発表されました。受験資格が従来と変わらない「2級建築施工管理技士」一次検定を前年度と比較すると、2023年度が37.7%なのに対し2024年度は48.2%と、合格率が10.5%もアップ。合格者数は前年度が5,150人だったのに対し、2024年度は6,588人と、1,438人も増えています。

施工管理技士は、人手不足による需要の高まりで求人数が増えていることから、転職者数も増加傾向にあります。産前産後休暇や育児休暇の導入やトイレ・更衣室の整備など、男女問わず働きやすい環境を整える取り組みを業界団体や企業が推進しており、女性の志望者も増えてきました。「2級建築施工管理技士」一次試験の合格者も、女性の割合が2022年度は15.8%、2023年度は18.1%、2024年度は18.5%と、増加が続いています。

1級建築施工管理技士の出題や合格率

1級建築施工管理技士の検定は、建築学一般に関して2023年度までは選択問題が14問出されていたのに対し、2024年度は14問中4問が必須問題に。施工管理法に関する能力問題は、1つ増えて5問となり、四肢択二から五肢択一へと変更になりました。

建築業界で特に重責なポジションである分、1級建築施工管理技士は難易度の高い資格です。2019年から2023年まで近年5年間の合格率は、平均46.1%でした。合格率5割を超える年や3割程度の年もありましたが、4割程度の年が多くなっています。

受験資格の緩和や求人数の増加により、目指しやすくなった施工管理技士

施工管理技術検定は1級・2級どちらも一次検定は受験資格が年齢条件だけになり、幅広い層が受験しやすくなりました。一次検定に合格すれば、技士補として活躍しながら二次検定に必要な実務経験を積むことが可能です。人材不足によるニーズの高まりから施工管理技士の求人数が増えつつある昨今、転職を目指すなら今がチャンスとも言えるでしょう。

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