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店舗デザイナーとして働くなら大手制作会社と個人事務所どっち?働き方・待遇・将来性を比較

店舗デザイナーとして働くなら大手制作会社と個人事務所どっち?働き方・待遇・将来性を比較 画像素材:PIXTA

「将来はカフェやブティックのデザインを手掛けたい」「大規模な商業施設の空間演出に関わりたい」など……。店舗デザイナーとして思い描く夢が異なれば、選ぶべき環境も変わります。キャリアをスタートするうえで最初に悩むのが「大手制作会社(ディスプレイ・設計施工会社、組織設計事務所など)」と「個人事務所(アトリエなど)」のどちらを就職・転職先として選ぶべきかです。

両者は同じ「店舗デザイン」ではあるものの、求められるスキルや業務、将来のキャリアパスが驚くほど異なります。そこで今回は大手制作会社と個人事務所について、デザイン制作の特徴や働き方、年収、キャリアパスの違いを比較しましょう。

求められるデザインや請け負うプロジェクトの違い

大手制作会社と個人事務所は、デザインに求められる要素や扱う案件にどのような違いがあるのでしょうか。

■大手制作会社は「論理的デザイン」が主流

数百人~1,000人以上の大規模な組織である大手制作会社は、駅ビルや百貨店、ショッピングモールのほか、ホテルや全国チェーンの旗艦店など、大型プロジェクトを中心に手掛けています。街のランドマークになるような建物に携われるのが醍醐味です。

こうした大規模プロジェクトのデザイン業務では、デザイナー個人の感性やセンス以上に、論理(ロジック)が重視されます。感覚的に優れたデザインも評価はされますが、同時に「なぜこのデザインにしたのか」という根拠を、クライアント企業の経営層に対して明確に説明し、合意を得るプレゼンテーションスキルが欠かせません。

論理性のあるデザインや経営層を納得させる設計を実現するには、下記のような専門知識と設計力が必要です。

  • マーチャンダイジング計画に基づいた、人の流れや売り場構成の設計
  • 法規や消防法、内装制限を踏まえた安全性の確保
  • ユニバーサルデザインと耐久性の高い素材の選定

■個人事務所は「感覚的デザイン」を重視

個人事務所の主要案件は、個人のオーナーが経営するレストランや美容室、アパレルショップ、バーなどの、路面店や小規模テナントです。「流行を作る」「行列店を生み出す」といったトレンドの最前線に立ち、刺激を受けながら仕事ができます。デザイナーに求められるのは、オーナーの想いやブランドの個性を形にするための「世界観の構築」です。

世界観を具現化する取り組み例

  • 素材の吟味……既製品を使わず、古材や特殊な左官材、特注の照明器具を探す
  • ディテール設計……ドアノブの手触りや、椅子に座った時の目線の高さなど、細かな部分まで配慮して設計する
  • 現場での最終調整……完成度を高めるために、壁や造作部分などの色味・質感を施工中に微調整する

働き方の比較(分業制vs一気通貫型)

日々の業務の進め方や働き方にも、組織の規模によって大きな違いが現れます。

■大手は専門性を高める「分業制」

大手では、デザイン・営業・施工管理・積算などの役割が明確に分かれています。さらにデザイン職の中でも「コンセプトを練るチーム」「CGパースを描くチーム」「実施図面を引くチーム」など、業務ごとに専門チームが設けられているケースもあります。

●分業制のメリット・デメリット

この分業制の最大のメリットは、何よりもデザイン業務そのものに集中できる環境が整っていることです。また、多くのスタッフが関わるため、大規模なチームでのプロジェクトマネジメント能力を養うこともできます。

しかし一方で、設計業務に専念するあまり現場を訪れる機会が少なくなりがちで、施工の納まりやリアルなコスト感覚が身につきにくいというデメリットも存在します。

■個人事務所は全工程に携わる「一気通貫型」

個人事務所では、デザイナーが幅広い業務を担います。デザインや図面作成はもちろん、家具の選定、サンプルの発注、見積書の作成、現場での職人への指示、さらにはオープンの写真撮影まで担当することもあるでしょう。

●一気通貫型のメリット・デメリット

一気通貫型のメリットは、店舗づくりの最初から最後までの一連の流れをトータルで経験できる点にあります。将来的に独立を考えている方にとっては、事務所経営に必要なノウハウを実践的に吸収できる絶好の場となるでしょう。

一方デメリットとしては、業務の範囲が膨大になるため、どうしても長時間労働になりやすいという厳しい側面があります。事務作業に追われる時間も多く、純粋なデザイン業務だけに集中するのは難しい環境とも言えます。

大手制作会社と個人事務所の年収・キャリアパスの違い(安定vs独立)

店舗デザイナーとして働くなら大手制作会社と個人事務所どっち?働き方・待遇・将来性を比較 画像素材:PIXTA

長く働くうえで気になるのが、待遇面と将来のキャリアパスです。

■待遇が手厚くキャリアも安定の大手制作会社

大手制作会社の給与水準は、インテリア業界内でもトップクラスです。各種手当や賞与、残業代が支給されるなど、福利厚生が充実。土日・祝日の休みを確保しやすく、ワークライフバランスが良好です。

また、企業内で長く勤め上げることで、デザインディレクターやチームをまとめる管理職への昇格チャンスも用意されており、ライフステージの変化に合わせて安定したキャリアを築けるのが大きな魅力です。

■個人事務所は独立志向の方に適した環境

大手制作会社と比べ、初任給は低い傾向にあります。入社直後は「経験を積む修業期間」と位置づけられることが多いためです。独立を望む方にとっては、実践力を早い段階で身につけられる点が大きな魅力。

スタート時の待遇面では大手と差があるものの、一定の経験を積んでから独立し人気デザイナーとなれば、大手の役員クラス以上の年収を稼ぐことも夢ではありません。厳しい一面があっても「将来は自分の事務所を構えたい」という強い野心がある方にとっては、これ以上ない最適な環境と言えるでしょう。

店舗デザイナーとしてキャリアの方向性を考える

大手制作会社と個人事務所を比較してきましたが、近年は両者の違いが従来ほど明確ではなくなっています。大手で緻密な設計力を培った後に独立して個性を発揮する人もいれば、個人事務所のように自由な発想を取り入れる大手チームも増えているからです。

両者の相違点が少なくなりつつある現代だからこそ「自分が将来、どんなデザイナーになりたいか」というビジョンを考えることが重要です。

また、求人@インテリアデザインの姉妹サイト「店舗デザイン.COM」では、『デザイナーの流儀』で店舗デザイン業界のプロのデザイナーの声をご紹介しています。実際にこの業界で活躍するプロのデザイナー・設計士のコメントを見ることができるので、大手か個人かで迷っている方は、自分に合ったキャリアの方向性を探す参考にもしてみてください。

インテリア業界でデザイナーになりたい方は、まずは求人@インテリアデザインの求人一覧を見て、どんな仕事内容なのか・どんな特徴があるのかを見比べてみましょう。自分の目指したいキャリアが描ける会社が見つかったら、まずはぜひ応募を検討してみてください。

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