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CADオペレーターから設計士へのステップアップ法!「指示通り描くだけ」は卒業!

CADオペレーターから設計士へのステップアップ法!「指示通り描くだけ」は卒業! 画像素材:PIXTA

「今後もずっとCADオペレーターのままでいいのか?」とお悩みの方へ。図面をトレースする技術者から、建築空間を創り出す設計士へのキャリアアップを目指しませんか?転職を考えているCADオペレーターに向け、本記事では、設計士へとキャリアチェンジするために習得すべきスキルや、起こすべきアクションについて解説します。

設計士とCADオペレーター は 何が違う?

同じ図面を扱う仕事でありながら、設計士とCADオペレーターの間には、業務範囲や責任において大きな「壁」が存在します。

設計士の仕事:0から1を生み出し「決定」する

建築物の設計や仕様についてアイデアや方針を提案し「決定」するのが、設計士の役割です。クライアントの要望をヒアリングし、法的要件をクリアし、予算内に収めながら、どのような空間にするかという方針(0から1)を決定します。

例えば、壁の位置ひとつ決めるにしても、「構造的に安全か」「動線はスムーズか」「デザイン的に美しいか」といった複合的な要素を検討し、最終的な責任を負うのが設計士です。

CADオペレーターの仕事:決定事項を「図面化」する

一方のCADオペレーターは、設計士が決めた方針を、施工可能な「図面」という共通言語に落とし込むことが仕事。CADソフトで素早く正確に図面を描く作業を担います。

図面の精度がプロジェクト全体の品質を左右する分、CADオペレーターもやりがいは十分ですが、実務を重ね設計士との違いを理解するにつれて「自分のアイデアを形にしたい」という気持ちが芽生えるケースも。だからこそ、CADオペレーターとしての経験を基礎にし、より上流の工程を担う設計士へステップアップしたいと考える技術者が多いのです。

ここでは、CADソフトの操作スピードや、線の太さ・種類の使い分けといった製図ルールの正確さが求められます。設計士の意図を汲み取り、現場の職人が迷わない図面を素早く仕上げる能力は、プロジェクトの生産性を大きく左右します。

「描ける」から「創れる」へ

CADオペレーターとしての実務を重ねていくと、「ここの納まり、こうした方が綺麗なのに」「この寸法だと家具が入らないのでは?」といった気づきが増えてくるはずです。実は、その「気づき」こそが設計士への扉を開く鍵です。

図面の精度がプロジェクトの品質を左右することにやりがいを感じつつも、「自分のアイデアで問題を解決したい」という欲求が芽生えたなら、それはあなたが次のステージへ進む準備ができた合図です。CADオペレーターとして培った「図面を読む力・描ける力」は、設計士になった時に最強の基礎体力となります。

設計士になるために習得すべき3つのスキル

CADオペレーターとして培った図面作成スキルは、設計士へとステップアップするうえで大きな武器です。さらに以下の「法規や構造の専門知識」「コンセプトやデザインを説明する力」「プロジェクトや人をマネジメントする能力」を上乗せすることで、設計士としての市場価値がパワーアップします。

①「なぜその線なのか?」を裏付ける法規・構造の専門知識

建築基準法や建物の構造について、知識を深め理解しておくことが大切です。CADオペレーターは指示に基づいて図面作成を行いますが、設計士は指示を出すことに加えて「構造の安全上、取り除いても問題ない壁なのか」「通路幅は建築基準法や消防法の基準を満たしているのか」など、構造や法規に関連した判断も求められます。

<おすすめの学習法>

建築基準法や内装制限の参考書を読み込みましょう。CADで図面を描きながら「なぜ今回の寸法になったのか」「自分ならどういう構造にするか」などを考える習慣をつけるのも効果的です。

また、現在担当している図面を「教材」にすることもおすすめ。自分がトレースしている図面を見ながら、「なぜ柱は455mmピッチなのか」「なぜ内装制限がかかるのか」と、すべての線に対して「理由」を考える癖をつけましょう。疑問点を設計士に質問してみるのも良いでしょう。「構造や法規を気にしながら描いているな」と思われれば、社内での評価も変わってきます。

➁コンセプトやデザインを説明する言語化能力

設計士の仕事は、良い図面を描けば終わりではありません。見栄えだけで判断せず、クライアントの要望や予算、建物の利便性、メンテナンス性なども考慮してコンセプトを組み立てる力です。

発案するだけでなく「なぜ今回のレイアウトにしたのか」「素材を選んだ理由」などを、説得力ある言葉でクライアントに説明するため、設計の意図を言語化するスキルを身につけましょう。

<おすすめの学習法>

Webサイトなどで建築物の事例をリサーチする際、写真を見ただけで終わりにしないことがポイント。日頃から建築事例の 「写真」だけでなく「解説文」を読み込んでください。「どのようなターゲットに向けて、どんな課題を解決するために、このデザインが採用されたのか」というストーリーを読み解くのです。

「どのような利用者や用途を想定した建物?」「なぜこの素材やデザインが採用されたのか?」などの疑問を持ち、設計の意図を分析してみましょう。

そして、自分がいいなと思った建築について、友人や家族に「なぜそれが良いのか」を言葉で説明する練習をしてみましょう。専門用語を使わずに魅力を伝えるトレーニングは、実際の商談で大いに役立ちます。

➂ プロジェクトや人をマネジメントする能力

設計士は、施主や施工業者、メーカーなど多くの人々と話し合いながら、予算や工期のスケジュールなどを調整していきます。関わる人々をまとめつつプロジェクトを段取りよく進行する、マネジメント能力を高めましょう。

<おすすめの学習法>

チャンスがあれば小さな案件でも、見積もり作成の補助や、メーカーへの納期確認などを自ら引き受けてみましょう。「この建材は納期が遅れやすい」「この仕様にするとコストが跳ね上がる」といった、図面には描かれていない「時間と金」の感覚を養うことができます。設計の周辺業務に関わる経験を積み重ねることで、調整力が自然と身についていきます。

CADオペレーターから設計士へとキャリアチェンジするための3ステップ

CADオペレーターから設計士へのステップアップ法!「指示通り描くだけ」は卒業! 画像素材:PIXTA

設計士へのキャリアチェンジ実現に向けて起こすべき行動を、3つご紹介します。

■STEP1:図面を描いたプロジェクトの現場を見る

モニターの中で完結する仕事から脱却するために最も効果的なのは、実際の「現場」を見ることです。自分がCADで引いた線が、現実空間でどのように立ち上がっているかを確認してください。

例えば「図面上の1,000mmが、実際の空間ではどの程度のサイズ感なのか」など、現場に足を運びリアルを体感してください。時には、図面の通りに進めると、納まりが悪い部分や施工に手間がかかる箇所が生じることも。現場を見て図面とのズレに気づくことで、設計力のブラッシュアップへとつながります。

■STEP2:資格を取得する

「建築士」(2級、1級)や「インテリアプランナー」など建築業界に関連する資格を保有していると、転職に有利です。専門知識が身についている証明になり、志望先の企業やクライアントからの信頼度が高まります。まずは、受験資格に制限を設けていない「インテリアコーディネーター」や「キッチンスペシャリスト」などの取得からチャレンジしてはいかがでしょうか。

これらの資格勉強を通じて得られる知識(人間工学、色彩計画、設備機器など)は、設計実務において即戦力となる知識ばかりです。「忙しい業務の合間を縫って資格を取得した」という事実自体が、採用担当者に高い学習意欲と向上心をアピールする材料になります。

■STEP3:一部の設計を任せてもらう

いきなりメインの設計担当になるのは難しくても、チャンスを自ら作り出すことは可能です。上司や会社に「バックヤードやトイレなど小さな空間だけでも、設計を担当させてもらえませんか?」と直談判してみましょう。ゼロから自分でアイデアを出し施工まで完了させることは、100枚のトレース作業にも勝るほどの経験です。

作成したラフプランやイメージボードを持参して相談すれば、熱意はより伝わります。たとえ小さな空間であっても、自分でコンセプトを立て、法規を確認し、マテリアルを選び、施工まで完了させる経験は、あなたにとっての「初設計実績」となります。この小さな成功体験の積み重ねが、自信と周囲からの信頼を生み、やがて大きなプロジェクトを任されるきっかけになるのです。

【Q&A】CADオペレーターから設計士へのキャリアアップについてよくある質問

設計士への転職を検討するうえでよくある悩みや疑問について、お答えします。

Q1. デザインのセンスに自信がなくても、設計士になれますか?

A. 可能性は十分にあります。設計士が持つべきデザインのセンスは、生まれつきの才能ではありません。必要なのは「過去に施工した建物に、機能面も含めどのような問題点があり、どう対策(デザイン)したら解決したのか」という、事例に基づいて設計する力です。経験を重ね事例の知識を増やした分だけ、高いデザイン力を発揮できます。設計士としてのデザインセンスを磨くために、評判のよい建築物をたくさん見て分析し、成功事例を参考にしましょう。

Q2. 現場に出るのは不安です。デスクワークだけの設計職はありますか?

A. 実施設計を専門に担当できるケースもあります。ただし「図面を基にして現場ではどのように建築物を作り上げていくのか」を実際に見て理解することで、より精度が高く現場で使いやすい図面に仕上げることが可能です。現場で職人や施工管理と交わす話の中から得られる知識や情報も、計り知れません。

Q3. 30代や40代からでも設計士を目指せますか?

A. 決して遅くはありません。むしろ、実務経験が強みになります。CADで正確かつスピーディーに図面を描くスキルは、新人の設計士にはない大きな武器だからです。設計士に不可欠な法規の知識やプレゼンテーション力も高めてから転職すれば、即戦力として活躍できることでしょう。

「図面を描くスキル」から「建築物を創る力」へ

CADオペレーターとして培った、正確に図面を作成する能力は、設計士として最強の土台です。世の中には、デザインは語れるけれど図面が描けない設計士もいます。しかし、CADオペレーターは既に描く力を持っています。そこに「知識」と「意思」を加えるだけで、あなたは「描ける設計士」として、他に代えがたい人材になれるのです。

「今の会社にいたら、ずっとオペレーターのままでキャリアが止まってしまうかも…」そんな漠然とした不安を感じているなら、一度外の世界に目を向けてみませんか?資格取得支援が手厚い会社や、未経験からの設計職登用に積極的なアトリエ、分業制ではなく一貫担当制を採用している工務店など、あなたのステップアップを後押ししてくれる環境は必ずあります。

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