公開日:2019年6月28日
(更新日:2023年6月27日)
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インテリア関連の仕事をする際に、VMDという言葉を耳にすることがあります。VMDとは店舗の内装づくりにおける考え方の一つですが、覚えておくことでより質の高い内装づくりに活かすことができます。今回はVMDとは一体何か、基礎知識や活かし方などをご紹介します。
VMDとは?
VMDとは、Visual Merchandisingの略称。商品をお客様にどう見せるかを検討し、買ってもらいやすく工夫する「売り場づくり」のことを指します。
わかりやすい例としては、アパレルや雑貨などのショップが挙げられるでしょう。同じ店で同じ商品を売っても、商品を置く場所や見せ方が違うだけで、売れ行きは驚くほど変わります。どこに何をどんなふうに置くかを考え、いかに魅力的に見せ、お客様に「ほしい」と思ってもらえるかが、VMDにかかっているのです。
また、店舗のレイアウトを随時アップデートするのも、VMDの手法の一つ。売り場はオープン前に綺麗にレイアウトしたとしても、実際にお客様が入ると雰囲気が変わります。そのため、常に「どう見せるか」を考えて、その売り場の雰囲気に合わせて改善していく必要があります。
さらにレイアウトやディスプレイを新しいものに変えるだけでなく、売り場をメンテナンスすることも重要になります。いつでも環境をきれいに整えておくことで、商品を魅力的に見せ続けることができます。
人間は五感から情報を集め、それぞれを総合して物事を判断します。特に視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のうち、情報の80%以上を視覚から取り入れているといわれているため、視覚からの情報は非常に大切。VMDにこだわることで、売上や店のイメージにも良い影響を与えることができます。
VP・PP・IPを軸に、VMDを考える
VMDを考える時に重要なのが、VP、PP、IPの3つのポイントです。VPはVisual Presentationの略で、お客様がお店に来店するための工夫をすること。外から見える展示スペースやファサードを見て、このお店に入ってみたいと思わせることが大切です。
PPとはPoint Presentationの略で、特にたくさんのお客様に見てほしい商品をアピールすること。注目してもらいたいものはなるべく多くの方に見てもらえるように、全員が必ず通る入口の横やレジの前などに陳列したり、おすすめを強調したりと工夫をすることが挙げられます。
さらにIPとはItem Presentationの略で、商品を手に取りやすくすること。お客様がストレスフリーで商品を手に取りじっくり見られるようにすれば、その分購入の可能性も上がります。同じジャンルの商品をまとめて置いたり、サイズをそろえて置いたりするといったことが挙げられます。
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VMDとインテリアコーディネーター
企業が求めているのは、ただ単に居心地がいい売り場ではなく、商品が売れる売り場です。専門知識がなくても「なんとなく雰囲気がいい店舗」は作れますが、「どうしたらこの商品が売れるか」という戦略的な面を考え、効果的な売り場づくりができるようになるには、VMDの知識が必要です。このため、VMDを身につけることは、インテリアコーディネーターとして成功するために非常に価値のある財産となります。
さらに、インテリアコーディネーターとして活動するうえで商品装飾展示技能検定を取得しておくと、「この人にはVMDの専門知識がある」とわかってもらいやすく、仕事を獲得するうえでも役立ちます。これはマーチャンダイズプレゼンテーションのスペシャリストとしてふさわしい技能や知識を持っているかを判断する国家資格です。近年はVMDコーディネーターやVMDコンサルタント、VMDデザイナーなど、VMDを専門にした職業も増えており、VMDの価値が高まっているといえます。
インテリアコーディネーターとして活躍しようと考えている方にとって、VMDを学ぶことは大きな助けとなります。「あの人に任せれば、商品が売れる」と思ってもらえれば、「うちのショップの内装を任せたい」などとお仕事が来るようになることも。インテリアコーディネーターとして何か自分なりの武器を身につけたいと考えている方は、ぜひ学んでみてはいかがでしょうか。
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