公開日:2020年11月20日
(更新日:2025年9月10日)
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一言にインテリアデザインといっても、実は専門分野がさまざまにあります。インテリアデザイナーとして働く人の中にも、自分の専門分野を持ちたいと考える人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、店舗専門やキッチン専門、照明専門など、各分野で活躍する“インテリアの専門職”を紹介します。
キッチンプランナー:理想のキッチンをカスタマイズする空間設計者
キッチンのデザインを提案・販売する仕事です。主に、キッチンメーカーやインテリアメーカー、キッチン設備の輸入販売会社などで、接客販売とプランニングを行います。
設計や施工管理まで担当する場合は、設計図が描けることや建築の専門的な知識が必要となるため、建築学科や関連分野での学習が推奨されます。接客販売とプランニングのみを担当する場合でも、建築もしくはインテリアの基礎知識があったほうが良いでしょう。
スマート家電や自社取り扱いブランドのキッチン設備、収納整備などについても幅広く知識を身につける必要があります。
キッチンプランナーの仕事内容
- 施工主のライフスタイルのヒアリング、商品の提案、アフターフォローなどの顧客対応
- 収納効率、使い勝手、デザイン性を考慮した住宅やキッチンの設計、レイアウト作成
- 施工部門、または施工業者との打ち合わせ
- スケジュール管理や現場管理
キッチンプランナーに必要なスキル
- キッチン設備の知識(IH、食洗機、収納設備、水回りの設備など)
- クライアントとのコミュニケーション能力、ライフスタイル分析力
- 設計スキル
キッチンプランナーの年収目安
350~750万円
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店舗デザイナー:商業空間を魅力的に演出
飲食店やアパレルショップ、雑貨店など、店舗を専門にデザインするのが仕事です。業態ごとの流行やニーズを把握し、店舗の企画及び空間演出を担います。店のコンセプトに合わせて、落ち着く空間、楽しい空間、モダンな空間などを演出することに加え、多くのお客さまが来店することや、利益がしっかりと出るような店づくりも念頭に置きつつ、企画することが重要になります。
例えば、飲食店であれば、利益率や回転率などの利益に関する計画もオーナーと一緒に行うことがあります。雑貨店やアパレルショップであれば、購買意欲をそそるような什器やディスプレイの配置などが求められるでしょう。
店舗デザイナーという資格はありませんが、設計の知識や空間をスケッチする技術、イメージを伝えるためのプレゼンテーション能力などが必要になります。建築士やカラーコーディネーター、インテリアプランナーといった資格を持っていると役立つこともあるでしょう。
店舗デザイナーの仕事内容
- 要望のヒアリング、デザインの提案など、顧客対応
- 飲食店や小売店の内装デザイン、レイアウト設計、ブランディング
- 顧客動線や購買心理を考慮した空間設計
- スケジュール管理や現場管理
店舗デザイナーに必要なスキル
- AutoCAD、SketchUpなどの設計ソフト
- トレンド分析能力
- クライアントとのコミュニケーション力
店舗デザイナーの年収目安
350~800万円
家具デザイナー:暮らしを彩るオリジナル家具の創造者
家具のデザインを専門にする仕事です。家具メーカーやデザイン事務所などで活躍するケースが多いでしょう。
自ら製作を行うこともありますが、企画や設計、素材選びのほか、職人への依頼が主な業務になります。家具デザイナーになるには、空間デザインの基礎的な知識や、デザインをスケッチする能力などのスキルが必要になるでしょう。
専門学校で家具づくりや空間デザイン、もしくは建築知識などを学んでおくのがおすすめです。
家具デザイナーの仕事内容
- 椅子、テーブル、収納家具などのデザイン・設計
- 素材(木材、金属、ファブリック)や量産化を考慮し製品化
- オーダーメイド家具として制作または制作依頼
家具デザイナーに必要なスキル
- Rhinoceros、SOLIDWORKSなどの3Dモデリングソフト
- 工芸や素材に関する知識、プロトタイプ制作スキル
家具デザイナーの年収目安
350~700万円
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ディスプレイデザイナー:視覚で魅せる空間の演出家
店頭のショーウィンドウや店内のディスプレイ、イベント会場などのデコレーションをコーディネートする仕事です。特別な資格は必要ありませんが、美術大学や専門学校でインテリアデザインや空間デザインについて学び、デザイン会社や展示専門会社などに勤めるのが一般的です。
設計知識は必要ではありませんが、イメージスケッチや什器制作のための図面などを描くスキルがある方が望ましいでしょう。また、照明やカラーコーディネートの知識が必要になることも。
ディスプレイデザイナーの仕事内容
- 店舗のショーウィンドウや展示会のブース装飾
- 季節イベント(クリスマス、セール)やブランドイメージの視覚化
ディスプレイデザイナーに必要なスキル
- 色彩感覚、空間構成力、トレンドキャッチ力
- ハンドクラフトや簡易な什器のデザイン、制作スキル
ディスプレイデザイナーの年収目安
300~600万円
照明プランナー:光で空間を演出するスペシャリスト
照明器具を販売、プランニングする企業で、コンサルティングやプランニングを行います。入社時に専門知識を持ち合わせていなくても、チャレンジできる場合もあるようです。
ただし、入社後は設計図の製作や空間、インテリアデザインの知識を身につけることが求められるため、事前にインテリアや空間デザイン、建築などの知識を身に付けておくほうが良いでしょう。
照明によりインテリアのイメージはガラリと変わるもの。照明に興味がある、上質な空間を演出したいという人におすすめの仕事です。
照明プランナーの仕事内容
- 住宅、店舗、オフィスの照明計画
- 機能性(作業効率)と雰囲気(リラックス、豪華さなど)の両方を考慮した提案
- 要望のヒアリング、アフターフォローなどの顧客対応
照明プランナーに必要なスキル
- 照明技術(LED、調光システム)知識
- 光の色彩温度や配光設計の専門知識
照明プランナーの年収目安
300~800万円
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FAQ:インテリアデザインの専門職に関するよくある質問
Q1. インテリアデザインの専門職になるには資格が必要?
A. 必須ではありませんが、インテリアコーディネーターやインテリアプランナー、建築士資格などを取得すると有利。実務経験やポートフォリオも重要となります。
Q2. 店舗デザイナーとインテリアデザイナーの違いは?
A. 店舗デザイナーは商業空間に特化し、ブランディングや動線設計を重視しプランニングを行います。インテリアデザイナーは住宅やオフィスを含む幅広い空間を対象としています。
Q3. キッチンプランナーの仕事に必要なソフトは?
A. AutoCAD、SketchUp、3Dレンダリングソフト(Lumionなど)が一般的。
Q4. 照明プランナーとして今抑えておくべきトレンドは?
A. 近年はスマート照明やエコフレンドリーなLEDが主流。2025年には、自然素材を活かした照明デザインや調光・調色機能付きのスマート照明も注目されています。
Q5. 未経験から家具デザイナーになれる?
A.可能ですが、知識やスキルが必要なため専門学校で学び、インターンやアシスタントから経験を積むのが一般的です。
紹介したようにインテリアコーディネーターやインテリアデザイナー以外にも、さまざまなインテリアの仕事があります。どのようなキャリアを選ぶか迷っている場合は、上記のような専門職の求人をチェックしてみるのも、参考になるのではないでしょうか。