公開日:2021年1月18日
(更新日:2023年6月27日)
画像素材:PIXTA
新型コロナウイルス感染症の第三波が襲来し、空間をデザインする際も改めてニューノーマルを意識することが重要に。人々の日常生活やワークスタイルが変化し、飲食店などの店舗ではソーシャルディスタンスの確保、オフィスや住宅ではそれに加えてリモートワークに対応するための空間デザインが求められています。そこで今回は、ウィズコロナ、アフターコロナ時代に空間デザインを考案する際のポイントを改めて紹介します。
新型コロナ対策がデザインの一部として定着
飲食店では、椅子の間隔を離す、テーブルやレジなどに飛沫対策のパーテーションを設置するなど、ニューノーマルに適応するスタイルが定着しつつあります。今後はさらに密を防ぐため、数人が座れるベンチスタイルの椅子やソファに代わり、一人ずつ座れる椅子を導入する店舗も増えるでしょう。ソーシャルディスタンスを保つための動線デザインや、入店・退店それぞれのドアを個別にすることも、いずれは求められるようになるかもしれません。
また、オープンキッチンは、スタッフとのコミュニケーションや調理のライブ感を満喫する空間として人気がありましたが、これからは「衛生的な環境で料理をつくっている」ことをアピールする場として、デザインを思案する必要もあるでしょう。
ほかにも、飛沫防止対策としてアクリル板やパーテーションを設置する店舗が増えていますが、安全面を優先し急いで対応した結果、デザイン面までは考慮できていないことも珍しくありません。しかし今後は、パーテーションも店舗デザインの一部として捉えていく必要があります。すでに、柄入りのものや格子を施したものなど、内装に調和するスタイリッシュなパーテーションを導入する店舗も登場しています。
イチから店舗の内装を考える際には、短時間でしっかり換気するために、二つ以上の窓を対角線上に設けることが求められます。窓を設置できなかったり、一つしか付けられなかったりした場合は、扇風機やサーキュレーターで空気の流れを作り、窓や換気口に排気できる空間にする必要も。換気は客席スペースだけに目を向けがちですが、スタッフの控室にまで換気が行き届く店舗デザインに仕上げることが大切です。
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リモートワーク・ソーシャルディスタンスを意識したゆとり空間
リモートワークの定着に伴い、カフェなどにパソコンを持ち込んで仕事をする人も増えました。新型コロナ以前は飲食店にネット環境やコンセントがあれば十分でしたが、コロナ禍では作業するためのコワーキング機能を求める人が増加。気兼ねなくオンライン会議や電話ができる個室や、資料を広げながら業務を進められる広いスペースを整えた空間デザインも求められつつあります。
また、ソーシャルディスタンスを保つためにスペースを確保する必要があり、飲食店では席数を減らさざるを得ないケースも。固定費や家賃は変わらないのに客数が減ってしまえば、経営を成り立たせるのが困難です。
そこで注目され、定着しつつあるのがテイクアウトやデリバリーなどのサービス。店舗をデザインする際には、テイクアウト料理を手渡しする専用スペースや、スタッフと接触せず商品を受け取れる食品ロッカーの設置場所を設けることも視野に入れる必要があります。お客様と配達員の動線を分けたり、テイクアウトとデリバリーの容器をストックするスペースを確保したりすることも大切です。
新型コロナウイルスの影響で多方面が深刻な状況に陥り、人々のライフスタイルが今後どのように変化していくか予測がつかない面もあります。しかし先手を打ち、多様なシチュエーションに対応できる可変性の高い空間デザインを創造していくことが、これから重要になるのではないでしょうか。
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