公開日:2021年2月1日
(更新日:2024年7月5日)
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インテリア関連の仕事といえば、インテリアコーディネーターを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。他にも様々な職種がありますが、混同されやすいのがインテリアプランナーです。名前も似ていますがその仕事内容は異なります。そこで今回は、2つの職種の違いと特徴を徹底比較して解説します。
それぞれの仕事内容の違いとは?
インテリアコーディネーターの仕事内容
すでに完成された建物と既存の商品でインテリアをコーディネートするのがインテリアコーディネーターの仕事。まずは顧客の要望をヒアリングし、図面などでプランを提案します。その後は実際に内装や壁紙、カーテン、照明器具、家具などを選びスタイリング。既存のインテリア商品で室内空間を演出し、コーディネートしていきます。
扱うのは住宅がメインで、顧客も個人を対象とすることが多く、住宅設備メーカーや内装メーカー勤務の場合は、自社製品中心にコーディネートを提案するのが一般的です。そのほか、飲食店や美容室、ホテル、オフィスなどの空間などを対象とすることもあります。インテリアプランナーの仕事と比べると、大型の建築物を扱うことは少ないでしょう。
インテリアプランナーの仕事内容
室内空間の企画・設計から関わり、魅力的な空間をトータルで作り上げていくのがインテリアプランナーの仕事です。対象物の用途や目的に応じ適切な空間を演出することが求められます。
具体的には、内装や家具、ファブリックなどのインテリアのコーディネートにとどまらず、備え付け家具や建物と一体化した建築化照明など建築工事に直接影響する設備やインテリアのプランの提案を行う、広い範囲で空間を作り上げていく仕事です。そのため、インテリアプランナーには建築の知識も必要とされます。
手がけるのは、大型商業施設や公共施設、ホテルなどの他に、病院や駅、空港、住宅や飲食店、美容室など。対象物の範囲はインテリアコーディネーターより広いのも特徴です。
それぞれの職種に向き不向きはある?
インテリアコーディネーターに向いている人
インテリアコーディネーターは、お客様の要望を汲み取り理想の空間を作り上げていく接客業でもあります。メーカーの担当者や建築士、施工業者など多くの人と関わり進めていく仕事のため、「人と関わることが好き」「人と接することが苦ではない」というのは欠かせない適性です。
空間をまるごとコーディネートするには、カラーコーディネートや内装材、家具やカーテンなど、さまざまな知識が必要になります。また、インテリアにもトレンドがあるため、世の中の動きに関心をもつことも大事です。インテリアが好きなだけでなく、好奇心旺盛で幅広い知識や情報をもてる人が向いています。
インテリアコーディネーターの仕事は、イメージ画像や図面の作成、見積書や発注書の作成など、事務作業も少なくありません。見積書の作成や発注作業などは特に正確さを求められますので、コツコツ慎重に作業できる能力も必要です。
また、住宅を扱うことが多いためインテリアや建築分野の中でも「住まい」に関心が強い人が向いています。
インテリアプランナーに向いている人
インテリアプランナーも多くの人と関わる仕事です。顧客の意図を汲み取ることも必要なため、インテリアコーディネーターと同様に人と接することが苦にならないというのは必要な適性です。また、設計や企画の段階から空間づくりに関わるため、建築の知識は必須。業務が多岐にわたるため、スケジュール管理能力も求められます。
また、インテリアプランナーに限らずインテリアや建築業界の職種全般に言えますが、インテリアが好きなことはもちろん、好奇心旺盛で幅広い知識や情報を勉強する姿勢を持つことも大切でしょう。
それぞれ必要な資格や勉強法は?
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インテリアコーディネーターとインテリアプランナーの資格は、いずれも受験に必要な条件などはありません。しかしどちらもインテリアの専門知識、インテリアプランナーにおいてはプラスして建築の知識が必要であるため、インテリアや建築学科のある大学、専門学校かなどで学び資格取得を目指すのが一般的です。
インテリアコーディネーター資格
インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格です。学科試験である一次試験と、論文とプレゼンテーションの二次試験があります。一次試験は、年齢、学歴、職業、経験を問わず誰でも受けられます。二次試験は過去3年以内に一次試験に合格していることが条件です。一次試験の合格率は3割前後、二次の合格率は6割前後。一次・二次試験を通じた合格者の割合は2割5分前後です。
インテリアコーディネーターになるには、メーカー、ショールーム、インテリアショップ、住宅メーカー、設計事務所、内装施工業社などに就職し経験を積むのが一般的です。
インテリアプランナー資格
インテリアプランナー資格は、財団法人建築技術教育普及センターが認定する資格です。以前は20歳以上とされていた受験資格の年齢制限がなくなり、誰でも受験可能になりました。また、建築士資格(一級、二級、木造)をもつ人は、一次試験の学科試験が免除され、二次試験の設計製図試験から受験が可能です。一次試験の合格率は6割前後、設計製図試験の合格率は2割5分前後ほどです。
インテリアプランナーは、インテリアデザイン事務所、建築設計事務所、インテリア施工会社、建設会社などで経験を積みます。インテリアがより身近になりつつある昨今、建築業界でもインテリアプランニングの重要性が認められるようになりました。建築設計の初期段階からインテリアプランナーが参加してプロジェクトを進める需要が高まっているため、活躍の場は広いでしょう。
それぞれ活躍できる場所やキャリアは?
インテリアコーディネーターの活躍場所・キャリア
家具やカーテン、住宅設備の販売、住宅やリフォーム会社・工務店などでのプランニング、商業施設などでの空間プロデュースなど、インテリアコーディネーターとして活躍できる場所は多くあります。
■家具や住宅設備などのメーカー
インテリアの知識と自社製品への深い知識を身につけ、顧客に最適な商品を選定・販売する仕事です。インテリアの専門知識を深め、接客のスキルを磨いていくことでキャリアアップを目指せます。
■住宅や建築関連企業
ハウスメーカーや不動産会社、リフォーム会社などでは、より広範囲に住空間を提案しコーディネートする仕事が多いでしょう。業務範囲は広く簡単な仕事ではありませんが、そのぶんやりがいも大きいでしょう。ハウスメーカーや大手不動産会社などではモデルルームのコーディネートを行うこともあります。
■空間プロデュース
デパートなどの商業施設でインテリア商品を魅力的に展示するのもインテリアコーディネーターの仕事です。ほかに、テレビや雑誌などの撮影現場、イベント会場、ギャラリー、ホテルなどで活躍するインテリアコーディネーターもいます。
インテリアプランナーの活躍場所・キャリア
インテリアだけでなく建築にも関わるインテリアプランナーの仕事は、インテリアよりもどちらかというと、建築業界寄りの求人が多いです。ゼネコンや住宅販売、リフォーム会社、設計事務所などで、設計段階から関わるプランナーとして活躍できます。
インテリア業界の就職先としてはインテリアショップやデザイン事務所などがあります。主に一般住宅の施主を対象とした仕事や、店舗デザインなどを扱うこともあるでしょう。
インテリアコーディネーターもインテリアプランナーも専門知識や多くのスキルが必要となる職種ですが、一度経験すれば、長く働くことができる仕事です。気になる方はぜひチャレンジしてみてください。
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