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2020年、話題の賞を受賞したインテリアデザイン・建築作品は? 注目作をピックアップ!

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毎年、インテリアデザイン・建築業界ではさまざまなコンテストが開催されています。これまで受賞した作品たちは、どれもすぐれた技術やセンスが光るものばかり。今回は、2020年に行われたインテリアデザイン・建築関連コンテストの受賞作の中から、注目作品をピックアップして紹介します。

第36回 吉岡賞「daita2019」

新人建築家の登竜門ともいえる吉岡賞(旧・新建築賞)。2020年、第36回の受賞作品は、山田紗子建築設計事務所「daita2019」でした。同作品は、受賞者である建築家・山田紗子氏の住宅兼事務所。山田氏は主に住宅やインテリアデザインなどを手がけ、アーティスティックな感性を活かした仕事や作品で注目されている建築家です。

緑と鉄菅が織りなす外構がまるで現代アートのようにも見える同作品。家と庭の間には壁がなく、窓サッシや建具で組み立てられています。庭部分はテラスや階段に木々の緑、その奥に見える家などさまざまなものが重層し、活気があり自由な印象。住宅内部はあえて表に出した配線や木材、スチールパイプなどさまざまな素材をミックスしながらも統一感があり、窓ごしに見える緑や差し込む光が室内を解放的な雰囲気に演出しています。

プリツカー賞 イボンヌ・ファレル&シェリー・マクナマラ

アメリカのホテルチェーン「ハイアットホテルアンドリゾーツ」のオーナー・プリツカー一族が運営するハイアット財団主催のプリツカー賞。「建築界のノーベル賞」ともいわれ、日本人としては、丹下健三や槇文彦、安藤忠雄、妹島和世と西沢立衛、伊東豊雄、坂茂、磯崎新などの重鎮たちが受賞しています。

2020年の受賞者は、アイルランドのダブリンを拠点とする女性建築家ユニットであるイボンヌ・ファレルとシェリー・マクナマラです。約40年間にわたってアイルランド、イギリス、フランス、イタリア、ペルーなどで多数のプロジェクトを手がけてきた2人。

代表的な建築物としては、アイルランド・ダブリンの「North King Street Housing」「Urban Institute of Ireland, University College Dublin」「Offices for the Department of Finance」やアイルランド・リムリックの「Medical School, University of Limerick」など。ペルー・リマの工科大学「Universidad de Ingeniería y Tecnología」では、2016年に王立英国建築家協会(RIBA)のインターナショナル賞を受賞しています。

手がけた作品は、剥き出しのコンクリートや彫刻作品のような立体感や荒々しい表現手法などが特徴的な“ブルータリズム”の流れを取り入れながらも現代的な空間に仕上がっています。土地の歴史や背景に馴染む建築物であることも特徴で、「それぞれの作品において場所ごとの特性を取り込みながら国際的な視点を持ち続ける能力がある」と評価されています。
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グッドデザイン賞 金賞「まれびとの家」

公益財団法人日本デザイン振興会が主催しており工業製品、空間、建築、ビジネスモデルなど幅広い領域を対象としているデザインアワード「グッドデザイン賞」。単に優れたデザインを賞表するだけでなく、産業の発展と暮らしの質を高めるデザインを広く伝えることも目的としています。

富山県南砺市利賀村「まれびとの家」は、2020年金賞受賞作品の一つ。「全く新しい建築のあり方を示す意欲作」と評価された同施設は、地場の木材を3D木材加工機で加工するなどし、資材の調達から加工・建設までの生産ネットワークを半径10km圏内で完結。林業の衰退と限界集落化の課題に挑んだ作品です。敷地周辺の未活用の木材を使用することで「ほぼゼロ円の土地にほぼゼロ円の材料で」建築、かつ合掌造りなど地域構法とデジタルファブリケーション技術を融合し、誰でも建設に関われる仕組みを実現しています。

また、人口約600人の村の「共同保有型の」宿泊施設として「観光以上移住未満」の暮らしを提案する場にもなっています。里山の風景に馴染む美しいデザインながら建築手法も大きな評価を得た作品です。

日本空間デザイン賞 大賞「渋谷スカイ」など3作

日本最大と言われる空間デザインのアワード日本空間デザイン賞。応募カテゴリーは幅広く、11ものジャンルの空間デザインを募集しています。

2020年大賞に選ばれたのは、「渋谷スカイ」(エンターテインメント&クリエイティブ・アート空間部門)、「深大寺ガーデン レストラン Maruta」(食空間部門)、「熊本城特別見学通路」(公共生活・コミュニケーション空間部門)の3作品。今年度は、空間と都市やサステイナビリティとの関係性を考えた作品が目立ったとのこと。

「渋谷スカイ」でもっとも注目されるのが屋外展望台。渋谷上空229mから広がる360度の景色を眺められるにとどまらず、立体的な構造や光の演出が印象的な大人の安らぎ場になっています。

「深大寺ガーデン レストラン Maruta」は、新たな食のスタイル「薪火料理」を楽しむレストラン。緑に囲まれ、店内はナチュラルながらも洗練されたインテリアでロハスな雰囲気に仕上がっています。「熊本城特別見学通路」は、史跡の整備・活用において新しい手法を提示する作品となっています。

紹介したのは受賞作品のごく一部。ほかにもさまざまな興味深い作品が選ばれているので、各アワードのHPなどをチェックしてみるのもおすすめです。

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