建築業界もテレワークの時代？ 事務作業やデータ管理・共有などオンライン化が進む

コロナ禍をきっかけに広まっているテレワーク。建築業界も例外ではなくテレワークが浸透しつつあります。いったいどんなふうに働き方が変わっていっているのでしょうか。昨今の建築業界におけるテレワーク事情を探ってみましょう。

現場監督の事務作業をテレワーク化

建築業界でテレワークが進められている職種の一つが、現場監督の業務です。自宅から事務所への通勤に加え、現場と事務所、クライアント先を行ったり来たりする仕事でもあるため、テレワークの導入が進めば効率が良くなります。

例えば、従来の働き方は、現場作業のほかに、事務所に戻り工程表や写真台帳などの整理をしたり、ときには片道数十分かけて発注者のもとへ打ち合わせに行ったりすることもあります。しかし、次のシステムを導入すれば、現場や自宅での事務作業のみで働くことも可能です。

■クラウドで資料やデータを管理・共有

これまで紙やパソコンで保管していた図面や工程表、作業員名簿を、インターネットのクラウド上で管理すると、事務所に戻らず現場で事務作業ができるようになります。図面や完成図などの紙資料を電子化するツールを活用するのも有効です。

クラウド上で管理することで資料の整理や検索がスムーズになり、外部との情報の共有も簡単。連絡の手間が省け、業務の効率化にもとても有効です。

■工事写真の撮影・管理の効率化

品質・工程・施工内容を証明するための重要なデータとなる工事写真の撮影。現場で重要な仕事の一つですが、従来のやり方は、小黒板に必要事項を記入してからデジカメ撮影、写真に漏れや不備がないかをチェック、写真を手作業で仕分けや整理といった流れで行われます。

そんな中、近年は工事写真の撮影に便利なアプリが登場。小黒板に記入した内容をスマホに入力したり、スマホで写真を撮影できたり、さらにクラウド上で写真を自動で仕訳、整理してくれるというものです。アナログでの作業が減る上に、クラウド上で写真を管理できるので撮影後も写真を整理する手間が減ります。

建築業界で多い打ち合わせのオンライン化

建築業界では、現場監督の仕事に限らず、協力会社に外注する業務や発注者との確認業務など、打ち合わせに多くの時間を割いています。

建築士などがテレワークにする場合も、事務所で行っていた設計作業を自宅で行うだけでなく、オンラインでの会議や打ち合わせを実現する必要があるでしょう。他業種でもZoomなどを利用しての会議や打ち合わせが定着しつつあり、建築業界も同様の流れとなっています。移動時間が省けるほか、打ち合わせの回数を減らす効果も期待できます。

建築業界のテレワーク導入のメリットと課題は？

建築業界や建設現場での仕事は、慢性的な長時間労働や週休2日制の導入遅れなど、ワークライフバランスの実現が難しいとされています。しかし、テレワークと当時に業務の効率化が進められれば、残業時間の削減にもつながり、新型コロナウイルス感染防止対策以外の大きなメリットとなります。移動が減れば交通費の削減にもつながるでしょう。

一方で、テレワークの導入には、自宅や作業現場でのインターネット設備やチャットなどの連絡手段ツール、前述した工事写真の管理アプリなど、インターネットやクラウド作業を行うのに必要なツールや設備を整える必要があります。 テレワークの導入には国の補助金を使えるため、この機会にすすめておきたいところ。今まで紙でやりとしており捺印が必須だったものの、電子印鑑の導入及び決済フローの見直しなどが必要な会社もあるでしょう。

また、対面でのコミュニケーションが減るため、こまめな連絡を徹底するなどの工夫も必要になりそうです。

採用活動ではWeb面接の活用も

実際の業務だけでなく、採用活動もWeb活用する企業も増えています。建築業界では、コロナ禍でも多くの企業が採用活動を継続しています。ただし、書類選考のみを継続している、Web面接による一次面接まで行っている、など対応はさまざま。新型コロナウイルス感染防止対策として、Web面接の活用が進んでいる状況が伺えます。

建築業界にとっても働き方が大きく変わる可能性もあるテレワークの導入。業務の効率化を進める良い機会にもなるのではないでしょうか。

求人＠インテリアデザインでは、大手企業から個人事務所まで、業界内の様々な会社の採用情報を掲載しています。
多様な求人情報が見られるので、 在宅勤務可能なインテリア業界の仕事も見つけることができます。