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インテリアデザイン・建築業界のOJT、成功させるコツは? 優秀な人材を育成するポイント

画像素材:PIXTA
経験者を採用することが多い建築・インテリアデザイン業界では、人材育成に不慣れな場合も多いかもしれません。しかし、自社にいち早く馴染んでもらい、かつ優秀な人材へと成長してもらうには、手厚い教育が大切に。そこで今回は、実践を通じて教育を行う「OJT」の実施方法やコツ、注意点などを紹介します。

OJTは始める前の準備が大切

外部講師ではなく自社の社員がOJTを行う場合、誰をトレーナーに指名するか慎重に考える必要があります。日頃の業務で活躍している社員が、指導者に適しているとは限りません。また、受講者とトレーナーの年齢が近いとコミュニケーションを取りやすいケースもありますが、若手社員の場合は経験不足で十分な指導を行えない可能性も考えられます。トレーナーを選出する時は、指導者としての能力や素質に着目しましょう。

トレーナーが決定したら、コーチングやティーチングなど、指導者として必要な知識やスキルを習得してもらいましょう。

OJTを効果的に進めるコツは?

研修の成果をしっかりと出すために、OJTは「Plan=計画」「Do=実施」「Check=評価」「Action=改善」(PDCA)の流れで進めることをおすすめします。

■Plan=計画

場当たり的にOJTを行うと、指導者によって教え方が異なる可能性があるほか、受講者に学んでもらいたいことが効率良く伝わらない可能性も。OJTを実施する前に、下記を明確に決めておきましょう。
  • OJTの目的
  • 教える内容
  • どのような手順で行うか
  • OJTのスケジュール・期間
  • OJTで受講者に習得してほしいスキル・知識
  • OJTで評価する項目や基準
決定した内容を「計画シート」としてまとめ、トレーナーや受講者、人事部などと共有し、共通の認識を持てるようにしておくと安心です。

■Do=実施

計画シートの内容に沿いながら、実際の業務を「やってみせる」⇒「説明する」⇒「やらせてみる」の順に進めていくと、受講者が理解を深めやすくなります。まずは難易度の低い作業から教えていき、徐々に難しい業務や責任の重い仕事へとシフトしていきましょう。

OJTの実施内容は、受講者のスキルや経験値によって変えることが大切。経験者の場合は、能力やこれまでの経験を考慮しつつ、スキルアップできるような内容にしましょう。未経験者や新入社員は、実践に必要な知識やスキルが少ないため、基礎から丁寧に指導していきましょう。

■Check=評価

OJTの終了後は、できたこと・できなかったことを客観的に評価してチェックシートに記入し、受講者に伝えるための面談を行います。必要に応じて、OJT中にフィードバックしても良いでしょう。できなかったことに対しては、何をどう改善すればできるようになるか、きちんと確認し合うことが重要です。

また、トレーナーが複数いる場合、各トレーナーによって褒めるポイントや叱るポイントが違うと、受講者が混乱してしまいます。評価基準を事前に決めて、社内で共有しておきましょう。

■Action=改善

指導が成功したか、直すべき点があったかなど、トレーナー側もOJTを振り返ります。トレーナーの指導に関してチェックするシートを事前に作成して終了後に記入すると、良かった点や改善すべき点を客観的に把握できます。受講者からも率直な意見を聞くことができれば、次回に活かせるでしょう。
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OJT実施における注意点

トレーナーが自分の業務とOJTを並行している場合、丁寧な指導ができず、受講者が「放置された」と感じてしまうことも。トレーナーもOJTに集中して取り組めるよう、周りの社員も協力して環境を整えることが重要です。

また、業務の手本を一通り見せただけで「教えることができた」「理解してもらえた」と思ってしまいがちですが、受講者は見ているだけでは理解できなかったいうケースも多々あります。手本を示す前に、特に注目してほしいところや重点的に覚えてほしいところを受講者に伝えましょう。基礎知識やOJTでの重要ポイントをまとめた資料を事前に見てもらうと、お手本を見た受講者がインプットしやすくなります。

ほかにも、受講者がOJTでの失敗により自信をなくすと、スキルアップをあきらめたり早期に辞めてしまったりする恐れも。注意やアドバイスだけでなく、モチベーションを高める声かけをして、フォローすることが大切です。受講者へのフィードバックは定期的に行うのがおすすめ。できなかった項目ができるようになるまでは、1日1回、週に1回など必要に応じて繰り返し確認して改善点を話し合い、丁寧にバックアップしましょう。

長く活躍できる社員を育成するため、習熟に時間がかかる技術の指導はOJT期間を長めに取り、じっくり教育していくようにしましょう。受講者の質問に丁寧に答えるのはもちろん、悩みや不安を相談しやすい風土をつくるなど、精神面でも支えていけるよう配慮することも忘れずに。

OJTの事前準備や進め方、終了後のサポートが、受講者の習熟度やモチベーションを大きく左右します。現在のOJTで効果を出せていないと感じる場合は、上記の内容を含め、改善すべき点がないかどうか見直ししてみてはいかがでしょうか。

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