公開日:2022年10月27日
(更新日:2023年6月27日)
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昨今、インテリア業界は人手・配送ドライバーの不足による人件費の高騰、建材費・梱包材・物流・賃料をはじめとする価格上昇などの課題が生じています。
さまざまな問題を抱えている状況ではありますが、コロナ禍で巣ごもり需要が増えたことで、インテリアや家具の市場は右肩上がりとなり、明るい兆しも見えてきました。本記事では、インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーのニーズ上昇、リノベーション、オールインワン住宅の人気の高まりといった、インテリア業界の将来性について解説していきます。
家具やインテリアの市場が拡大中
近年、国内の家具やインテリアの売上げが右肩上がりで伸びています。帝国データバンクの調査によると、国内全体の家具・インテリア販売市場は、コロナ禍に陥った2020年に前年度比で6.1%アップしました。市場拡大の背景にあるのは、リモートワークや巣ごもりにより自宅での快適性を重視したり仕事環境を整えたりするために、インテリアの買い替え需要が増加したことです。
高級感のある高価格な家具の需要が高かった従来と比べ、近頃は低価格ながら高品質な家具を求める方が増加。セレクトショップ・高級家具店・アッパーミドルな価格帯の家具店・零細店舗と比べると、低価格なアイテムの品揃えが豊富なECサイトの家具店や大型量販店のほうが、大幅に業績を拡大しています。
インテリアデザイナーやコーディネーターの需要アップ
昨今、店舗などの施設や住空間に関心を持つ方が増えたことで、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの需要が増加しています。必要性が高まったのは、レストラン、ホテル、美術館、物販ショップをはじめとする各種施設。機能性だけでなく最先端のおしゃれなデザインも重視する傾向が強くなりました。マンションや戸建住宅でも、快適性や安らぎなど住み心地の良さに加え、デザイン性や嗜好など個性を追求する方が増えていると言われています。
インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーが活躍できる場は、設計事務所や工務店、デザイン事務所、住宅メーカー、家具メーカーなど多数あり、将来的にも安定して需要を得ながらスキルを活かしていけることでしょう。
リノベーションやリフォームのニーズが増加
近年は、リフォームやリノベーションへの注目度も高まっています。空き家問題を解決するために古民家をリニューアルしたり、高齢になった方が老後の生活のためにバリアフリーや増改築を施したりと、新たなニーズが生まれているからです。
人口が都市へ流れることで地方が過疎化する課題を改善するために、再開発や商店街の再生を活発に行っている地域もあります。少子高齢化が進むことで、高齢者のリフォーム・リノベーションや空き家の改築、地方再生の需要が継続していけば、インテリア業界は将来的にも安定したニーズを得られることでしょう。
株式会社野村総合研究所が予測する、日本における「2021~2040年度の新設住宅着工戸数」と「2020~2040年度のリフォーム市場規模」によると、2020年度は81万個だった新設住宅の着工戸数は、2030年度は65万個へ、2040年度は46万個へと減少していく見込みです。一方、リフォーム市場の規模は2040年度まで横ばいまたは微増が継続するとみられ、リフォームやリノベーションのニーズは今後も順調に続いていくことが予想されています。
参考サイト:
野村総合研究所、2040年度の住宅市場を予測
バーチャルのコーディネートやオールインワン住宅が人気上昇中
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中古物件を選ぶ際、空間内の写真を見ただけでは、家具を置いた部屋まではイメージしにくいもの。新築の場合は、床材や建具などの柄・色をサンプルから選んだだけでは、完成後の全体像をはっきりと想像するのが難しいかもしれません。
実際に住んだ時の空間をリアルにイメージする手段として、昨今は室内やインテリアのレイアウトなどをバーチャルで確認できるサービスが注目されています。物件の写真を3D空間に変換したうえで、実際に販売されている家具を配置した様子を見ることができ、生活空間を明確に思い描きやすいのがメリットです。Web上の仮想空間で、多彩な建具や床材などを自由に選んで切り替えてみることで、施工後の室内を明確に把握できるサービスも登場しています。
また、建物の外観や内装だけでなく家具や照明、カーテンなどもインテリアコーディネーターがコーディネートする、付加価値が加えられたオールインワン住宅も評判です。従来以上に理想に近い物件を入手しやすくなっていることから、インテリア業界へのニーズのさらなる高まりに期待が寄せられています。
今後のインテリア業界の活況に期待
新しい生活様式が定着し、リノベーションやリフォームの需要が拡大したり、インテリアや家具の売上数が伸びたりと、将来の見通しが明るくなっているインテリア業界。環境、ライフスタイルの変化や高齢化社会などに対応するために、時代と共に各種施設や住宅に求められる要素も変わっていくと予想されています。そうした多様化するニーズに応えるためにも、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの活躍の場は今後ますます広がっていくことでしょう。
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