公開日:2022年11月28日
(更新日:2023年6月27日)
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インテリア・建設業界は、社会問題にもなっている人材不足に加え、工期に追われたり仕事量が多かったりするため激務になりがちです。一方で昨今は、給与面よりワークライフバランスを重視する求職者や人材が増え、仕事量を適度に分配し無理のない働き方を実現している会社もあります。今回は、ワークライフバランスを重視するメリットや課題点などについて解説します。
ワークライフバランスが重視されるのはなぜ?
少子高齢化により働き手が減少し、インテリア・建設業界でも多くの企業が労働者不足に悩まされています。足りない人材の分の業務も既存社員が受け持つ必要があるため、労働時間や仕事量が増えて心身に不調が生じ、離職率が高まるという負のスパイラルに陥るケースもあります。事業を長く安定的に継続させていくためにも、ワークライフバランスを整えることはとても大切です。
ワークライフバランスを実現するメリット
実際にワークライフバランスを整えることで、どのようなメリットがあり企業の環境がどのように変化していくのでしょうか。
【優秀な人材が定着する】
ワークライフバランスが良好な企業は、優秀な人材から「選ばれる企業」となります。年齢・性別を問わず無理なく働ける環境を構築することで、離職率を低下させることも可能です。出産・子育て・介護のための休業制度や安心して職場復帰できる環境を整備すれば、優れた社員が他社へ流出するのを防げるでしょう。時短制度やフレックスタイム制、リモートワークなど多様な働き方も推進することで、定着率がいっそう高まります。
【社員の意欲が高まり生産性が向上】
過労や長時間労働にならずプライベートの時間もしっかりと確保できる職場へと変えていくことで、メリハリをつけて働けるようになります。余暇の時間にしっかり休息できる分、業務への集中力や効率、モチベーションが高まり、生産性の向上も実現できることでしょう。
【受賞や認定でイメージアップ】
ワークライフバランスの取り組みに力を入れている企業は、ワークライフバランス認定企業に選出されたり「ワークライフバランス大賞」(ワークライフバランス推進会議)などを受賞するチャンスもめぐってくるかもしれません。「優良企業」「社員を大切にする会社」という認知度が高まることで、より良い人材を確保できるようになるでしょう。
インテリア・建設業界ではワークライフバランスの構築に取り組むことが難しいからこそ、競合他社との差別化が図れます。改革が実現できたときの価値は、他業種と比較しても高いはずです。
課題や問題点を乗り越えるには
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ワークライフバランスには多くのメリットがある一方、実現に向けて課題や問題点を解決していかなければなりません。「プライベートや家族より仕事を優先する」という昔からの考えが根付いている会社では、働き方を改革する利点について、管理職や上層部になかなか理解してもらえない場合もあるでしょう。
根底から体質や価値観を変えていくには、長い時間がかかります。社員のワークライフバランスを良好に保つことでもたらされるメリットについて、会社側にしっかりと理解してもらうために、根気強く話し合う心構えが必要です。
また、ワークライフバランスの実現に向け新しい制度を設けても、社員の意識が変わらないケースもあります。社員1人1人がワークライフバランスの重要性を理解していなかったり、本当に必要な制度が揃っていなかったりする場合もあるからです。社員から広く意見を聞き、真に求められる環境を整備していきましょう。
ワークライフバランス実現に向けた取り組みの流れ
企業内でワークライフバランスを整えるための基本をご紹介します。
【1】社員の働き方をメール共有でチェック
出社後に1日の予定を、退勤時には1日の業務実績を、社員1人1人が部署の全員にメールで伝えます。予定と実際の業務に違いがあった場合、課題点が隠れている可能性があるため、しっかりと分析します。
【2】組織と個々の社員それぞれの業務上の課題を洗い出す
メール共有で洗い出した内容を基に、個人だけでなく組織としてのさまざまな課題点も見つけ「個人の課題」「組織としての課題」の2つに振り分けていきます。
【3】課題を改善するための施策について話し合う
課題点の仕分けができたら、個人の課題は社員自身で、組織の課題は社員で協力して、改善策を考えます。組織の課題については定期的に会議を開き、話し合ったりアイデアを出し合ったりしましょう。
【4】働き方の改革に向けた施策を実行
課題を改善するための施策が決定したら、実際に取り組みを行っていきます。
長い目でワークライフバランスの取り組みを進めよう
社員それぞれ多様な価値観を持っており、ワークライフバランスに求める内容も異なることから、短期間で実現させることは困難です。そのため3~5年かけて基礎からじっくり改革し、地道に環境を変えていくことが重要。ワークライフバランスの整備が社員や会社にとって多彩なメリットをもたらすことを上手に訴求しながら、取り組みを進めていきましょう。
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