公開日:2023年2月7日
(更新日:2023年6月27日)
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高齢化がすすむ建設業界、施工管理職も人手不足が深刻です。一方で、施工管理職を目指す求職者にとっては、経験を積めば安定したキャリアを積める大きなチャンス。そこで今回は施工管理職において、どのようなキャリアプランが築けるのかをご紹介します。
未経験からキャリアップが望める施工管理職
施工管理の仕事は、安全、品質、工程、予算などを管理し調整業務を行う、建設現場では欠かせない存在です。専門知識やコミュニケーション能力、管理能力なども必要なため、簡単な仕事ではありません。しかし、未経験からチャレンジでき、キャリアアップの道筋は比較的明確です。さらに高齢になっても活躍できるため「バリバリ仕事をしたい」「専門知識を身につけ稼ぎたい」「安定して稼ぎたい」という人には適した仕事といえます。
キャリアアップしていくには2級施工管理技士、1級施工管理技士の資格が重要ですが、経験や資格がなくても施工管理の仕事につくことは可能です。
そもそも施工管理技士の資格は第一次検定と第二次検定に分かれており、一定の実務経験がないと第二次検定の受験資格が得られなかったため、これまで学校を卒業し施工管理の仕事に就く場合は、ほぼ皆資格をもっていませんでした。
ここ最近までは、実務経験を積みながら資格取得を目指すのが一般的でしたが、令和3年(2021年)度から第一次検定に合格することで建築施工管理技士補の資格を取得できるようになり、未経験者や学生にもチャンスの幅は広がっています。施工管理職を目指す第一歩として、まずは受験資格からチェックしましょう。
※本記事では建築施工管理技士の受験資格に焦点を当てて解説します。
・2級建築施工管理技士 第一次検定(2級建築施工管理技士補)の受験資格
試験の実施年度において、満17才以上となる方
・2級建築施工管理技士 第二次検定の受験資格
大学卒業者…1年(指定学科以外は1年半)以上の実務経験
短期大学・高等専門学校卒業者…2年(指定学科以外は3年)以上の実務経験
高等学校卒業者…3年(指定学科以外は4年半)以上の実務経験
中等学校卒業者など…8年以上の実務経験
※第二次検定のみの受験など例外があるため詳細は公式HPをご確認ください
https://www.fcip-shiken.jp/ken2/
・1級建築施工管理技士 第一次検定(1級建築施工管理技士補)の受験資格
大学卒業者…3年(指定学科以外は4年半)以上の実務経験
短期大学・高等専門学校卒業者…5年(指定学科以外は7年半)以上の実務経験
高等学校卒業者…10年(指定学科以外は11年半)以上の実務経験
中等学校卒業者など…15年以上の実務経験
2級建築施工管理技士所持者
・1級建築施工管理技士 第二次検定の受験資格
1級建築施工管理技術検定の第一次検定の合格者(例外あり)
一級建築士試験合格者で第一次検定の受講資格を有する者(例外あり)
2級施工管理技士所持者…5年以上の実務経験
※令和3年度の法改正などに関わる例外があるため詳細は公式HPをご確認ください
https://www.fcip-shiken.jp/ken1/
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国家資格「建築施工管理技士」とはいったいどんな仕事? 仕事内容や1級・2級の違いを解説
まずは2級施工管理技士を取得し、キャリアアップを目指す!
画像素材:PIXTA
就職後、施工管理職のキャリアを築く上で、最初のステップは2級施工管理技士の資格を取得することです。2級施工管理技士の資格所持者は、
資料P.5 のとおり請負金額が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の建設現場で「主任技術者」になることができます。
主任技術者は建設業法により配置が義務付けられている技術者です。資格があることで任される仕事の範囲が広がり、収入にも差が出るでしょう。
資料P.5 のとおり請負金額が4,000万円以上(建築一式の場合は6,000万円以上)の建設現場には、専任の「監理技術者」を配置することが義務付けられています。この監理技術者になれるのが、1級施工管理技士です。さらに2020年の建築業法の改正により、1級施工管理技士は「特例監理技術者」として2つの現場を兼任することも可能となりました。
優れた技術力や知識の証となる資格というのはもちろんですが、企業にとっては監理技術者が確保できないと、仕事の受注に差し支えます。1級施工管理技士自体が不足していることもあり需要は高く、資格所持者は高収入を得ることや、より良い条件の企業への転職などが可能となります。施工管理の仕事でキャリアを築きたいなら、ぜひ取得したい資格です。
参考サイト:
建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者(国土交通省)
施工管理資格以外に役立つ資格・講習
施工管理技士以外にも、以下の資格があるとキャリアアップに役立つでしょう。
・労働安全コンサルタント
1級土木施工管理技士もしくは1級建築施工管理技士の資格を取得すると労働安全衛生コンサルタントの受験資格を得ることができます。労働安全衛生コンサルタントとは、労働者の安全衛生の向上を目指す資格で、この資格を所持していると事業所の安全診断などを行うことができます。年々改善されつつあるものの、労働環境の向上が求められている建築業界においては、取得しておくと役立つ資格の一つでしょう。
・高圧ガス製造保安責任者などの資格
高圧ガスを取り扱うための国家資格の1つです。高圧ガス対象の現場で知識を活かすことができますので、仕事や就職の幅が広がります。
・現場での安全対策に関する講習
酸欠や硫化水素中毒の恐れがある現場で、安全かつ衛生的に作業を行うための知識を身につける「酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育」や、クレーン業務などの安全管理を学ぶ「玉掛け業務従事者安全衛生教育」。これらは、労働安全衛生法で該当する危険作業に関わる労働者は講習が義務づけられていますので、該当する場合は欠かさずに受講しておきましょう。
定年後も好条件で働くことが可能
専門知識やコミュニケーション能力が必要な施工管理という仕事。資格をもっており経験豊富な人材は、常に不足している状況のため、60歳以降でも好条件で活躍できるのもメリットです。楽な仕事ではありませんが、長く安定し稼ぐことができるのは大きな魅力。興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
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