公開日:2023年11月1日
(更新日:2023年11月1日)
画像素材:PIXTA
建築やインテリアのデザイン関連の職種で、転職・就職活動をする際に重要なのがポートフォリオ。スキルや経験をアピールする大切なものですが、前職での作品などは自由に使っても良いものなのでしょうか? そんな疑問を解決するため、今回はポートフォリオ作成時に知っておきたい著作権や守秘義務について注意すべきポイントを解説します。
ポートフォリオ作成時に知っておきたい著作権と守秘義務
個人の転職活動で使用する範囲であれば、たいていの作品はポートフォリオとして使って問題はありません。ただし、まれに使用できない作品やルールに沿った使用が必要になるケースがあるため、著作権と守秘義務について理解しておいたほうが良いでしょう。
著作権は、著作者の財産的利益を守るための権利です。著作権法では、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義されており、人が創作したあらゆる著作物が対象です。
守秘義務とは、職務上で知った秘密を守るべき義務のことをいいます。退職後も守秘義務の対象となる情報を他者に漏らすことは禁止されていますので、ポートフォリオ作成時や転職活動時には注意しましょう。
e-Gov法令検索 著作権法
個人ポートフォリオの場合の使用は著作権上ほぼ問題なし
著作権において他者の著作物の使用には制限があり、基本的に企業に属して製作した著作物の著作権はその企業に属します。そのため、自分が作ったものであっても、企業の著作権を侵害しないように注意が必要です。勝手に不特定多数へ公開することなどはできません。
一方、著作物を使用してよい場合や条件もいくつかあります。限られた範囲内で使用する「私的使用のための複製」が、その一つです。数人で閲覧するのみにとどまる場合は、たいていは自由に使うことができます。ポートフォリオもPDFデータや印刷物として、この私的使用にとどまる範囲であれば問題になることはないでしょう。
ただし、インターネット上に公開するかたちのポートフォリオは、多くの人が閲覧可能なため注意が必要です。著作者に許可をとるか、引用のルールを守り(引用部分・出典元・引用部分との主従関係を明確にする、改変しないことなど)使用するか、閲覧制限をかけるなどの配慮が必要です。
守秘義務の対象となる作品はポートフォリオに使えない
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著作権の他にもうひとつ注意しなくてはいけないのが守秘義務。守秘義務は退職後も課せられており、万一秘密を漏洩すると刑事罰の対象となります。
例えば、一般公開されていない作品や公開前の作品などを、関係者以外に公開すれば情報漏洩にあたります。よって、それらの作品をポートフォリオに使うことはできません。また、著作権とは別のものなので、少人数にのみに公開することも許されません。
ポートフォリオ作成時の注意点まとめ
ポートフォリオにおいて前職の作品の使用について注意点をまとめると、以下の3点になります。
- 一般公開されている著作物は、限られた範囲で少人数のみの閲覧であれば問題なし
- ポートフォリオをインターネット上で公開する場合は一定のルールのもとで使用すること
- 守秘義務の対象となる作品は使用できない
前職の作品を使用したポートフォリオの作成については、事前に知っておきたい注意点はあるものの、使用方法を間違えなければ訴えられたり問題になったりすることはないでしょう。
著作権と守秘義務を守ることは、インテリア・建築業界でデザイナーやクリエイターとして働くうえでも非常に重要なことです。きちんと理解してからポートフォリオの作成や面接に挑むことで、企業に与える印象も違ってくるでしょう。
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