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建築士のポートフォリオの基本。就職活動に使える具体的な作成方法は?

建築士のポートフォリオの基本。就職活動に使える具体的な作成方法は? 画像素材:PIXTA

クリエイティブ職の求職活動に欠かせないポートフォリオ。能力や経験、実績などをアピールするための作品集で、建築士にとっても能力をアピールするための重要なツールです。今回は、建築士のポートフォリオの基本事項から具体的なポートフォリオの作り方を紹介します。

そもそもポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、能力や創造性、経験、実績、専門性などをわかりやすくまとめたものです。ただ作品を並べれば良いというものではなく、経験やスキルはもちろん、人となりや個性をアピールできるのが理想です。

採用担当者やクライアントにとっても、能力や経験を判断できる資料としてだけでなく、今後のキャリアパス、担当企業やプロジェクトへの適性をチェックするための重要なツールと言えます。

建築士のポートフォリオ作成。まずは何から始めればいい?

・見本を探す

初めてポートフォリオを作成する場合、建築系ポートフォリオをいくつか見て、作りたいポートフォリオのイメージを決めておきましょう。ポートフォリオが閲覧できるサイトとしては「issue」が有名で、建築系の学生が作るポートフォリオなども数多く掲載されています。

そのほか、ポートフォリオを集めた書籍も販売されていますので、それらを参考にするのも良いでしょう。また、学校の先輩や友人からポートフォリオを見せてもらうのもおすすめです。

・ボリュームや作品の数は?

建築士のポートフォリオは25〜40ページ程度、作品数は3〜5作品程度が一般的です。形式や大きさは、企業からの指定がなければA3横開きが一般的です。

目指す分野によってポートフォリオの内容も異なる

・設計事務所を目指す場合

意匠設計が専門となる設計事務所を目指す場合は、より高いデザイン力が求められます。ポートフォリオでもデザイン性の高い作品をアピールしましょう。コンペなどでの入賞歴などは高い評価が得られますので、アトリエ系設計事務所への就職を希望している人は特に、コンペには積極的に参加しておくのがおすすめです。

・ハウスメーカー、ゼネコンの設計職を目指す場合

ハウスメーカーやゼネコンの設計職を目指す場合は、設計事務所ほどのデザイン力は必要ありません。代わりに堅実さが求められますので、ポートフォリオにはその点を反映しましょう。

ポートフォリオ作成の手順

建築士のポートフォリオの基本。就職活動に使える具体的な作成方法は? 画像素材:PIXTA

実際に作成する手順はおおまかに以下の通りです。

1:掲載する作品を選ぶ

職歴がある場合はこれまでの実績として自分が実際に手がけたプロジェクトから選びます。コンペの入賞作品や、数字などのデータで評価がわかりやすいものがおすすめです。

学生など仕事での経験がない場合は、コンペの応募作品(入賞作品が望ましい)、卒業設計、学内外で参加したプロジェクトなどから選ぶのが良いでしょう。それらがない場合や数が足りない場合は、自分が気に入っている作品や自信作をブラッシュアップして掲載しましょう。

2:各作品のデータを整理し、コピーや解説文を整える

作品を決めたら、手持ちの図面やパース、掲載したいデータを整理します。さらに、それぞれの作品のコンセプトやプロジェクトのタイトルやキャッチコピー、解説文などをわかりやすく整えておきます。

3:台割を作る

ページ数の多いポートフォリオを作成する場合は、冊子の何ページにどのようなコンテンツを載せるか、構成・目次を先に決めておくのがおすすめです。 基本的には、表紙、目次、履歴書や自己PRを掲載し、作品紹介に入るのがよいでしょう。

各作品は、以下の流れで紹介していくのが一般的です。

  1. 作品名やプロジェクト名&メインパース
  2. 周辺状況、テーマや用途、プロジェクトの背景などを画像や図面などを使用しながら紹介
  3. 平面図・立面図・断面図などの図面、模型写真、パースなど画像を並べていく

また、どの項目に何ページ使うのか、各ページ片面にするのか見開きにするのかなどをも決めておくとスムーズです。

4:データをレイアウトする

そろえた素材を紙面上にレイアウトしていきます。InDesignやIllustratorのようなグラフィックデザインソフトを使うのが一般的です。

5:印刷・製本・PDF化

一番手軽なのは、両面印刷したデータをクリアファイルなどで綴る方法です。そのほか、印刷したものをホッチキスや製本テープを使い手作業で冊子を作成する方法もあります。また、費用はかかりますが印刷製本業者に依頼すればより美しく魅力的に仕上げることができるでしょう。一方でペーパーレス化の観点などから、データ提出を指定する企業も増えています。その場合はデザインが崩れにくいPDF形式に変換・圧縮するのが一般的です。

ボリュームがあれば良いというわけではありませんが、ある程度の作品数を載せる必要があり1日や2日で作成するのは難しいため、早めに取り組んでおくのがおすすめ。ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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