公開日:2020年2月19日
(更新日:2023年6月27日)
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建築設計の仕事というと建物の外観や内観のデザインを思い浮かべる人が多いですが、建物の構造や設備を設計することもまた、建築設計の重要な仕事です。今回は、建築設計の仕事の具体的な内容や実際の業務の流れを解説します。
まずは建築設計の種類を知ろう
建築設計の主な仕事は、大きく分けて「意匠設計」「構造設計」「設備設計」に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
■意匠設計
意匠設計は、主に建築の外観や内部のデザインをする仕事です。クライアントの要望を聞き、内外観や間取り、造作やデザインなど建物全体の設計・デザインを担当します。また、構造設計、設備設計のセクションの取りまとめや工事監理なども行い、建築設計全体のプロデューサー的な役割を担うことも少なくありません。デザイン・設計のスキルに加え、コミュニケーション能力も必要となる仕事です。
■構造設計
構造設計とは、建物の土台や柱、梁といった建築物の骨組みに関わる部分を設計する仕事です。立地の地質や地盤、間取りを考慮するだけでなく、地震や台風、積雪などの災害に対する安全性能も計算し、設計することが求められます。
確実に安全な構造であることに加え、デザイン性を損なわずに建物として成立させるためには、緻密さ、正確さが必須となる仕事です。
■設備設計
設備設計は、建物のインフラを設計する仕事です。具体的には、上下水道やガスなどの配管、空調や照明、コンセント、インターネットなどの電気設備が挙げられます。これらをきちんと使えるように設計するのはもちろん、ランニングコストがかかりすぎていないか、室内環境は快適な状態かどうかを検討して調整することもまた、設備設計の仕事です。
建設設計の仕事に就くには?
意匠設計、構造設計、設備設計、いずれの建築設計の仕事に就くにしても、建築系の学科や専門学校で学び、建築事務所などの現場で経験を積むという流れが一般的です。いちスタッフとして建築設計の仕事をする場合、建築士の資格は必ずしも必要ではありませんが、資格が無いと出来ない仕事もあります。
また、中途採用の募集条件には建築士資格が必須の場合や、選考で優遇される場合も多いため、実務経験を積みながら資格取得を目指すと選択肢が増え、キャリアの幅が広がるでしょう。
【参考】
建築士の資格取得までのステップは? 一級建築士、二級建築士、木造建築士の違いも紹介
構造設計の仕事に関しては、「構造設計一級建築士」の資格を取得すると、一定規模以上の高度な構造設計が求められる建築物の設計も担当できます。また、設備設計の仕事に関しては、国家資格である「建築設備士」の取得がおすすめ。設備設計に関して、より専門的な知識を得ることができます。
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建築設計の仕事の流れ
建築設計では前述の3種類の設計担当が協力して仕事を行っていきます。おおまかな流れを見てみましょう。
■建築主との打ち合わせや土地の調査
意匠設計の担当者が建築主と入念に打ち合わせを行います。建築の目的や用途、求めるイメージ、予算をヒアリングし、希望条件をまとめます。さらに建築予定の土地や周辺環境の調査を行い、日照や景観など、建築主の条件に見合った建築をするのに問題がないかを確認します。
■コンセプトやラフの作成・提案
ヒアリングと調査の内容を踏まえて、具体的な建築のイメージやコンセプトを作り建築主に提案します。
■実施設計
建築主から提案したプランの同意が得られたら、図面をおこして実施設計をします。ここから意匠設計・構造設計・設備設計の各セクションが密に連携を図り、図面おこしや工事費の概算・予算配分を行い、実施計画書を作成します。
■施工
建築主のOKが出たら施工会社が施工に入ります。各セクションの担当者は、計画通りに進んでいるかどうか、不備がないかを確認しながら、完成まで工事を監理します。完成後は担当した建築物に何か問題がないか、定期的にアフターフォローを行う場合もあります。
建築設計の仕事は、「意匠設計」「構造設計」「設備設計」でそれぞれ担当する業務が大きく違いますが、お互いが密接に関わり合い、力を合わせて一つの形に仕上げる仕事です。
一般に、それぞれの専任担当者としてスタッフを募集していることが多いので、自身の経験はもちろんのこと、得意分野や性格・希望を踏まえた上で、自分に合った仕事を探してみましょう。
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