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有名インテリアデザイナー、建築家の意外なキャリア。経験の積み方、代表作や受賞歴は?

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建築・インテリア業界を目指す方や働く人の中には、国内外で活躍する著名な建築家やインテリアデザイナーが手掛けた建築物や施設を見て、業界に興味をもった人も少なくないのではないでしょうか。しかし、一流の建築家やインテリアデザイナーも最初から有名だったのではなく、さまざまな進路やキャリアを経て独立し、高く評価されるまでになっています。今回はごく一部ですが、有名建築家がどのようにキャリアを積んできたのかを紹介します。

安藤忠雄(建築家)

1941年、大阪府生まれの世界的に活躍する言わずと知れた建築家です。代表作は「住吉の長屋」「光の教会」「ピューリッツァー美術館」「地中美術館」「東急東横線渋谷駅」など。手掛けた建築物の特徴と言えば、コンクリートと直線的なフォルム。自然を借景したり、太陽光を取り入れたり自然を活かしたデザインや設計も多く見られます。

そんな安藤氏は、家庭の経済的理由から大学は出ておらず、独学や通信講座で建築やグラフィックを勉強し、一級建築士の資格を取得しています。1日に数時間、一年間毎日欠かさず勉強したとのことで、相当な努力を重ねたようです。

短い期間ですが、高校時代にプロボクサーとして活躍していたこともあり、建築家の中では異色の経歴の持ち主。アルバイトで資金を貯め、海外へ建築物を見て回るなど座学以外での学びも得ます。

建築やデザインの仕事をはじめてからは「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞。直島の「地中美術館」を手掛けるなど、建築家としてのキャリアを積んでいきます。プリツカー賞、国際建築家連合(UIA)ゴールドメダルなど受賞多数。

藤森照信(建築家)

1946年、長野県生まれの建築史家および建築家。代表作は「神長官守矢史料館」「高過庵」「ラムネ温泉館」「ニラハウス」「多治見市モザイクタイルミュージアム」「ラ コリーナ近江八幡」など。自然素材を用いたまるでアートのような建築物は、“ジブリの世界”、“縄文建築”などとも言われています。

藤森氏は、東北大学工学部建築学科で建築を学ぶも、建築家としてデビューしたのは40代の半ばです。大学を卒業後は、東京大学大学院および同大生産技術研究所で日本近代建築史、都市史の研究を行います。

1974年に「東京建築探偵団」を結成し国内の近代洋風建築を調査。調査内容を書籍にまとめるなどの活動を行ないます。諏訪大社上社の依頼で「神長官守矢史料館」を手掛けたのをきっかけに、建築家として活躍していきます。「ニラハウス」で日本芸術大賞を受賞、「熊本県立農業大学校学生寮」で日本建築学会賞(作品賞)を受賞。建築史家として活躍後に、建築家としてのキャリアを築いた少し珍しい経歴です。

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丹下健三(建築家)

1913年 大阪に生まれ。「世界のタンゲ」と言われ、日本人建築家として最も早く国外でも活躍した建築家です。代表作は「広島平和記念資料館」及び記念館、「国立代々木競技場」「東京都庁舎」「フジテレビ本社ビル」など。作品は打ち放しコンクリートと端正なフォルムが特徴です。1987年プリツカー賞受賞、他受賞多数。

若い頃からモダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに傾倒し、東京帝国大学工学部建築科を卒業はコルビュジエの教え子である前川國男の建築事務所に入り、経験を積みます。前川氏の事務所で働いたのち、東京大学大学院に入り都市計画を学びます。

「広島市平和記念公園及び記念館」「広島平和記念館」が評価され、やがて東京オリンピックの屋内施設「代々木国立屋内総合競技場」で名声を不動のものに。黒川紀章など日本を代表する後進の建築家の育成にも尽力しました。自身の志す道を追求し続け、日本建築のパイオニアと言えるまでの評価を手にした建築家です。

内田 繁(インテリアデザイナー)

1943年生まれ、商業空間や住空間のデザインにとどまらず、家具や工業デザイン、地域開発に至るまで幅広く国内外で活躍した日本を代表するインテリアデザイナー。

代表作は「六本木WAVE」「山本耀司ブティック」「科学万博つくば’85政府館」「受庵、想庵、行庵」「門司港ホテル」「オリエンタルホテル広島」など。毎日デザイン賞、商環境デザイン賞、第1回桑沢賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章等受賞しています。雑多なものを排除したミニマルな空間やデザインや、幾何学的なフォルムが作品の特徴です。

桑沢デザイン研究所を卒業後、 約3年間の企業に勤めを経て独立。3年で独立するのは一般的には早いといえますが、時代の転換期でもあり早くに何らかの形を残したいとの想いがあったとのこと。この頃、座り方によって椅子の形が自由に変化する「フリーフォームチェア」を制作。家具作品の出発点となります。

その後は「山本耀司ブティック」など多くの商業空間を手掛けていきます。家具デザイナーとしても活躍し、1988年には、椅子「セプテンバー」がニューヨーク、メトロポリタン美術館の永久コレクションに収められ、同年毎日デザイン賞を受賞しています。実力があってこそですが、独立のタイミングを逃さずに成功した例と言えるでしょう。

どの人物も、才能があるだけでなく、常に研鑽し続けています。また、独立のタイミングや学び方などさまざまなキャリアの築き方があることがわかりました。インテリアデザイナーや建築家として活躍していきたいと考える場合は、こうした著名な人物たちのキャリアを参考にしてみるのも良いかもしれません。

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