公開日:2024年5月1日
(更新日:2024年12月2日)
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▲横須賀美術館
「建築界のノーベル賞」ともいわれるプリツカー賞。2024年は山本理顕氏が受賞したことが3月5日に発表されました。山本氏は日本人としては9人目の受賞で、日本はプリツカー賞受賞者最多の国になりました(ちなみに2位はアメリカで8人)。今回はそんなプリツカー賞を受賞した歴代の日本人建築家とその代表作をご紹介します。
そもそもプリツカー賞とは?
1949年に創設されたプリツカー賞。存命の建築家を対象とし、「建築を通じて人類や環境に一貫した意義深い貢献をしてきたか」という評価基準をもとに、世界各国から毎年1人または1組の建築家に贈られます。
2024年は、日本人としては9人目の山本理顕氏が受賞。1945年生まれの山本氏は、1968年に日本大学建築家学科を卒業し73年には自身の設計事務所を創立。さまざまな公共建築物や住宅などを手がけてきました。
国内では、地域住民の憩いの場としても活用されている「横須賀美術館」、広いベランダや大きなガラス窓などを設けた開放的なデザインの「子安小学校」などを手がけています。今回の受賞にあたっては「建築を通じたコミュニティの創出」が特に評価されたとのことです。
プリツカー賞の日本人受賞者
続いて、過去にプリツカー賞を受賞した日本人建築家についてもその経歴や作風をご紹介します。
丹下健三氏(1987年受賞)
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▲広島平和記念資料館
日本建築界のパイオニア的存在である丹下健三氏。1913年生まれの丹下氏は、日本人建築家として早くから世界で活躍し「世界のタンゲ」とも呼ばれました。20世紀を代表する建築家ル・コルビュジェに影響を受けており、日本の伝統的な建築様式とモダニズムを融合させた作風が特徴です。「東京都庁舎」や「代々木第一体育館」、「広島平和記念資料館」などの代表作があります。
槇文彦氏(1993年受賞)
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▲幕張メッセ
丹下氏に続き、日本のモダニズム建築を牽引し、第一線で活躍してきた建築家です。土地や環境を活かした建築空間が特徴。代官山のランドマーク「ヒルサイドテラス」をはじめ、「幕張メッセ」、「東京体育館」などの代表作があります。
安藤忠雄氏(1995年受賞)
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▲水の教会
独学で建築を学び第一線で活躍するまでになった異色の経歴をもっています。打ちっぱなしのコンクリートなどを使った力強いデザインが特徴。星のリゾート「水の教会」や「表参道ヒルズ」、「ベネッセアートサイト直島」などが有名です。
妹島和世氏・西沢立衛氏(SANAA)(2010年受賞)
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▲大阪芸術大学アートサイエンス学科
妹島和世氏と西沢立衛氏の共同設計事務所であるSANAAは2010年にプリツカー賞を受賞。妹島和世氏は現在でも日本人女性で唯一の受賞者です。ガラスやアルミなどの素材を活かした、透明感や軽快さのある作風などが特徴。「金沢21世紀美術館」や「ルーヴル美術館ランス別館」などが代表作です。
伊東豊雄氏(2013年受賞)
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▲伊東豊雄 建築ミュージアム
伊東氏は韓国のソウル生まれ。その後、少年時代を長野県諏訪市で過ごし建築の道へ。自然と調和する作風が多く、また、曲線を活かしたデザインや革新的な技術を用いた作風で知られています。「多摩美術大学図書館」や「横浜風の塔」、台湾の「高雄国家体育場」などの代表作があります。
坂茂氏(2014年受賞)
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▲大分県立美術館
環境に優しく持続可能な建築や空間をテーマに活動する建築家です。廃材や環境負荷の低い素材を使用するなど自然と建築物との共生を追求している点が高く評価されています。紙管を用いた建築が特に有名。「静岡県富士山世界遺産センター」や「大分県立美術館」、「ポンピドゥー・センター・メス」などの代表作があります。
磯崎新氏(2019年受賞)
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▲アートプラザ
丹下健三氏のもとで働いたのちに独立。ポストモダン建築を牽引する建築家のひとり。大胆かつ革新的な作風で知られ、「北九州市立美術館」や「アートプラザ(旧大分県立大分図書館)」、「ロサンゼルス現代美術館」などの代表作があります。
まとめ
日本が最多受賞国となったことを受けて山本氏は「日本の建築家は他国よりもメッセージ性が強いこと」を、その理由のひとつとして挙げています。時代の流れもあり、環境との融合や人と人をつなぐ空間であることなど、持続可能社会をテーマとする建築家はますます増えていきそうです。今後も、どのようなプロジェクトや建築家に注目が集まるか楽しみですね。
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