公開日:2021年11月25日
(更新日:2023年6月27日)
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少子高齢化の影響で新築分譲の供給が少しずつ減少している反面、リノベーション業界が急成長しています。今後も伸びしろの大きい業界だけあり、設計職を積極採用している会社が多数です。そこで今回は、リノベーション設計の業務内容や仕事の魅力、リノベーション設計に就く方法などについてご紹介します。
リノベーション設計はどんな仕事?
リノベーションとは、中古住宅の価値や機能をつくり変えること。部屋のレイアウトや間取りを変えたり、照明や窓を増やしたり、最新の設備を設置したりと、小さな変更から大きな工事まで多岐にわたります。
その中でも、リノベーション設計の仕事は、お客様の要望に沿って物件を設計すること。業務は「現地調査」→「お客様へのヒアリング」→「図面作成」→「見積もりの作成・契約」→「工程表作成」→「工事現場の監理」→「完成・引き渡し」→「アフターフォロー」という流れで進めていきます。
【1】現地調査
現地を見て、物件の採寸をします。各種設備を取り付けるための配管なども確認。既存のものを使用する場所もチェックします。
【2】お客様へのヒアリング
不便な点、新たに導入したい設備など、お客様が何を求めているかを聞き取ります。完成後にお客様が「要望を反映してもらえなかった」とならないよう、さまざまな角度からヒアリングすることが大切です。
【3】図面作成
現地調査やヒアリングした内容に沿って図面を作成し、設備や素材の選定も行います。基本の図面が完成したら、現場の施工会社がスムーズに工事を行うための図面を作成します。
【4】見積もりの作成・契約
見積もりを作成し、お客様に提案します。予算オーバーの場合は、予算内でできる施工を案内し、お客様と話し合いを行います。お客様に納得してもらえたら、契約成立です。
【5】工程表の作成
着工から引き渡しまでにかかる期間や工事の流れを計画し、工程表を作ります。お客様・自分が所属する会社・施工会社・物件の管理会社と、工事の日程などを調整して作成。必要に応じて、工事の発注も行います。
【6】工事現場の監理
現場での工事は職人さんが担当します。設計の担当者は、工事が工程表の通り順調に進んでいるか、近隣の住民からクレームがないかなどを確認。必要があれば、進捗に合わせて工程表を修正します。
【7】完成・引き渡し
完成後にさまざまな検査をし、不備があれば是正工事を実施。最終確認して問題が何もなければ、お客様に引き渡します。
【8】アフターフォロー
お客様が実際に住み始めてから不備が見つかる場合もあるため、引き渡し後も不具合がないかをお客様に確認することが大切です。アフターフォローをしっかり行うことで、将来、ほかの部分のリノベーションを依頼されるケースもあるでしょう。
リノベーション設計の業務の魅力
工事が完了し、自分が携わった物件が生まれ変わった姿を見た時は、達成感を感じられるはず。お客様の希望通りに仕上げられると、感謝されることも。お客様から喜んでもらえることが、モチベーションの向上につながるでしょう。
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リノベーション設計ができる職場
リノベーション設計に携われる会社は主に「ディベロッパー」「住宅メーカー」「鉄道会社」「家電量販店」「独立系」などがあります。「ディベロッパー」(マンションディベロッパーや総合ディベロッパーが母体)と「住宅メーカー」は、自社グループにリフォーム専門の部門や会社を持っているのが特徴です。「住宅メーカー」がリノベーションするのは主に、自社で新築を建てたお客様の住宅。「ディベロッパー」は、オフィスから商業施設まで多彩な物件を手掛けています。
「鉄道会社」を母体とするリノベーション企業は、商業施設のデザインを行ったり、自社が所有する物件を丸ごと一棟リノベーションしたりと、さまざまな事業を展開しています。「家電量販店」のリノベーションは、システムバスやシステムキッチン、トイレなどの設備が中心。実際の施工は、協力会社が行う場合もあります。
また母体を持たない「独立系」は、手掛ける物件(店舗・商業施設・戸建て・マンションなど)や規模が会社により異なります。物件探しから施工までトータルで請け負う会社や、お客様が所有する物件の設計・施工を担う会社、部分的な改装や設備の交換が得意な会社など、事業スタイルも多様です。そのほか、ホームセンターなど多彩な企業がリノベーション事業に参入しています。
リノベーション設計職に就くには?
設計職を募集するにあたり、建築を学んだ人材を求める会社が多く、大学や専門学校で勉強してから就職するのが一般的。なかには、未経験の転職者に間口を広げている会社もあります。リノベーション設計の業務には営業スキルやコミュニケーション力も必要なので、未経験から転職する場合は、営業職や接客業など他業界で培ったノウハウをアピールすると良いでしょう。
また、建材メーカーやショールームなどリノベーション業界と関わりのある仕事を経験した後に、設計の道へと進む方法もあります。さらに、先輩のアシスタントからスタートする道もあり、補佐しながら徐々に仕事の知識や経験値を高めることで、一人前の設計職へとステップアップしていけることでしょう。
リノベーション設計の仕事に必要な資格
資格がなくてもできるリノベーション設計の仕事はたくさんありますが、建築士の資格を取得しておくと採用に有利となる場合が多く、就職後に携われる業務の幅も広がります。設計デザイナーを志している方は、インテリアコーディネーターの資格も取得しておきましょう。
昨今は空き家問題が注視され、政府が既存物件の流通比率を引き上げる施策を実施していることから、リノベーション業界は今後ますます発展していくことが予想されます。大きな飛躍を期待できる業界だからこそ、他業界からの転職者を積極採用している会社も多数です。リノベーション設計に関心がある人は、ぜひ就職・転職を考えてみてはいかがでしょうか。
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