公開日:2021年12月2日
(更新日:2023年6月27日)
画像素材:PIXTA
建築業界の企業は、長時間労働への不満を持たれたり、仕事の負担に対して給与が見合わないと言われたりするケースが少なくなく、ときに“ブラック企業”と揶揄されてしまうこともあります。では、ブラック企業と呼ばれないためにはどんなことをすれば良いのか、気をつけたいポイントをまとめました。
ブラック企業とは?
そもそもブラック企業とはどんな企業のことをいうのでしょうか?実はブラック企業という言葉自体に明確な定義はありません。一般的には以下のような企業を指しています。
- パワーハラスメントが横行するなどコンプライアンス意識が低い
- 労働者に対し極端な長時間労働を課す
- 労働者に対し極端なノルマを課す
- サービス残業や賃金の不払いなどがある
- 自主退職に追い込む
- 従業員の退職希望を拒否する
上記をまとめると、労働者の権利を蔑ろにする企業といえます。一覧にすると「こんな酷い企業はそうそうないのでは?」と思ってしまいがちですが、パワハラやセクハラ、長時間労働やサービス残業などは、経営側に悪意があるケースだけではありません。残念ながらどのような企業で起こってもおかしくないものです。
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ブラック企業にならないための対策とは?
「自主退職に追い込む」など悪意のあるケースは論外ですが、ブラック企業といわれないためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。
■労働基準法を把握する
労基周りの守るべきことを知っておかないと、悪意がなくても、労働者に実害が及んだり、精神的に追い詰めてしまうということになりかねません。まずは労働基準法をしっかりと理解しておくことが大切です。
例えば、退職について。無期雇用の雇用契約は、労働者が会社に解約の申入れをしてから2週間を経過すれば雇用契約を終了できるとしています。一般的には、1か月以上前に申入れをするよう企業が定めていたり、労働者も配慮して早めに伝えたりというケースが多いですが、労働者に「2週間後にやめます」と言われれば、経営者は拒否できません。無理に引き止めて辞めさせないという行為もNGです。
■従業員の正しい労働時間を把握する
タイムカード等で労働時間の把握をし、正しい割増率で残業手当を支払っているかを確認しましょう。タイムカードがない企業もあるかもしれません。また、建築業では現場に直行直帰する場合もあるでしょう。タイムカードが利用できない場合でも、労働時間はきちんと把握できるように整備しましょう。
■休日、休暇を正しく付与する
休日は1週間に1日または4週間に4日以上、休憩は労働時間が6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上必要です。長時間労働になりがちな建築業は特に気をつけたい項目。人材不足で休日・休憩が取りづらいということがないように、現場の人員配置などをチェックしましょう。
■労働日数に応じた有給休暇を与える
有給取得が義務化されていますので、こちらも企業と労働者がきちんと把握できるように制度を整えておくことが必要でしょう。有給休暇は労働者に与えられた権利です。企業側から取得を限定することはできません。有給休暇の取得を拒否する、使い方を限定するなどの行為をしていないか、見直しましょう。
■正しい給料を付与する
都道府県別の時給以上の賃金を支払っているか、確認しましょう。月給で働く従業員でも一時間あたりの給与は最低賃金以上でなくてはいけません。
■ハラスメントの対策を行う
セクハラ、パワハラだけでなく、妊娠・出産に関することでハラスメントが起きていないか、気を配りましょう。育児休業や介護休業を法律で定められた労働者の権利だということを理解しておきましょう。
以上のことは、経営者だけでなく、管理職や一般の社員もしっかりと理解しておく必要があります。「労働基準法について知らなかった」と認識不足で起きるトラブルは防げるようにしておきたいものです。
パワハラやセクハラを防ぐには?
パワハラやセクハラに関しては労働基準法を知っておくことで防げることもありますが、以下のような対策をとるのもおすすめです。
- 普段から社員同士でコミュニケーションをとるようにする
- 外部スタッフを招いて講習を開く
- 困った時に相談できる人材や専門の窓口を用意しておく
紹介した内容は「ブラック企業と呼ばれないため」だけでなく、従業員が働きやすい職場づくりにもつながります。この機会に見直してみてはいかがでしょうか。
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