公開日:2020年7月17日
(更新日:2025年12月12日)
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インテリアデザインや建築デザインの仕事に就く際の主な選択肢としては、ゼネコン、住宅メーカー、設計事務所などがあります。中でも設計事務所には、比較的規模の大きな組織設計事務所と個人設計事務所があり、仕事内容や特徴に違いがあります。
今回は個人設計事務所、特にアトリエ系設計事務所について、どのような特徴があり、どんな仕事ができるかなどを紹介します。
アトリエ系設計事務所の特徴とは?
設計事務所の中でも規模が大きいのが組織設計事務所です。社内は意匠設計、構造設計、設備設計などさまざまな部門で構成されており、基本的に一連の設計業務をすべて請け負っています。
そのため、商業施設や公共施設、オフィス、マンションなど比較的大きな建築物を手掛けることが多いです。また、機能性やコストパフォーマンスを重視した設計と堅実なデザインを得意としています。
一方、アトリエ系設計事務所は、主に意匠設計を得意とする個人事務所のことをいいます。ほとんどは建築家が主宰する事務所で、デザイン性や作家性が高い建築物を手掛けているのが特徴です。その多くが小規模な個人事務所ですが、最近では有名建築家が主宰する事務所など、大規模なアトリエ系設計事務所も増えています。住宅や小規模な店舗などを扱うことが多く、デザインで差別化し、徐々に大きな仕事を受注していくケースが一般的です。
アトリエ系設計事務所ではどんな仕事ができる?
組織設計事務所でも意匠設計を行いますが、個性的なデザインよりもシンプルで商業的なデザインを求められることも多くあります。
一方、アトリエ系設計事務所の大きな特徴は、意匠設計を得意とすること。もちろん、クライアントの要望に沿ったデザインを提案する必要はありますが、自分のセンスを活かし提案できる機会は組織設計事務所より多いでしょう。また、小さな事務所であれば、従業員一人ひとりの仕事の裁量が大きくなるため、自分のデザイン案をクライアントに直接提案できたり、逆にクライアントの要望や声を生で聞けたりできるのも魅力です。
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アトリエ系設計事務所で働くメリット・デメリット
アトリエ系設計事務所で働くメリットは、実力ある建築家の考えやスキルに間近で触れられることでしょう。建築家としての哲学や建築のスキル、事務所運営業務についてなどを学ぶことができます。これは組織設計事務所でなかなか得られないもの。将来独立を考えている人にとっては特に大きなメリットとなります。また、個人事務所では従業員ひとりひとりの裁量が大きくなるため、大企業で働くよりもさまざまな経験ができ、成長の度合も早い可能性があります。
また、アトリエ系設計事務所は、組織設計事務所に比べて事務所や建築家のカラーを売りにしているケースが多く、芸術性の高い仕事にチャレンジできるだけでなく、デザイン力を試せる機会や、実力があればそれを認めてもらえる機会が比較的多い点もメリットといえるでしょう。
逆にデメリットとしては、少数鋭敏で個人の力が大きく作用するため、長時間労働になりがちなこと。朝から終電まで毎日働くケースも少なくないようです。また、大手企業に比べると、将来性や安定性に不安を感じることもあるようです。きちんと自分の仕事の範囲が決まっているほうがいい、という人にとってはあまり向いていない環境ともいえます。
アトリエ系設計事務所で働くために必要な能力は?
少人数であることも多いアトリエ系設計事務所では、一人ひとりの仕事の負担や責任感が大きくなりがちです。人を育てる余力がないケースもあり、経験者のみしか採用しない事務所もあります。そのため、新卒や他業種からの就職は難しい場合もあるでしょう。建築設計の分野で一定の経験を積んでから応募するのが理想です。未経験を採用している場合でも、自分から積極的に学ぶ姿勢が必要になるでしょう。
FAQ:アトリエ系設計事務所についてよくある質問
Q1:アトリエ系設計事務所と組織設計事務所の違いは何ですか?
A:最大の違いは規模と重視するポイントです。組織設計事務所は大規模で分業制が主であり、機能性やコストを重視します。一方、アトリエ系は建築家が主宰する小規模な事務所が多く、独自の作家性やデザイン性を重視して設計を行う点が特徴です。
Q2:アトリエ系設計事務所への転職に向いている人は?
A:将来独立して自分の事務所を持ちたい人や、特定の建築家のデザイン哲学やスキルを間近で学びたい人が向いています。また、少人数で業務範囲が広いため、指示を待つのではなく、自ら主体的に動いてデザイン提案を行いたい人にも適した環境です。
Q3:実務未経験でもアトリエ系設計事務所に入社できますか?
A:即戦力を求める傾向が強いため、新卒や未経験者の採用ハードルは高い場合があります。しかし、ポテンシャル採用を行う事務所もあるため、建築設計の基礎知識に加え、積極的に学ぶ姿勢や熱意をアピールできればチャンスはあります。
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