二級建築士の資格取得でスキルアップ！ 試験に向け進めておくべき3つの準備

さまざまな種類の建物を設計するには、国家資格を取得することが必須です。なかでも代表的なのが二級建築士。インテリア業界などで働きながら、ステップアップのために資格取得を目指す方も大勢いることでしょう。その第一歩として、今回は受験のために知っておくべき受験資格、学科試験、設計製図試験の3つの準備についてご紹介します。

二級建築士の受験資格を得るには

受験資格は基本的に、大学・短大・専門学校・高校・中等教育学校で、国土交通大臣が指定する科目を履修し卒業することで付与されます。指定科目を履修できる学科は、建築・土木・デザイン系などです。

二級建築士の試験に合格した後の免許登録については、大学・短大・専門学校の場合、履修できたのが30～39単位の場合は1年間の実務経験、20～29単位の場合は2年間の実務経験が必須になります。40単位以上を履修して卒業すれば実務経験は必要ありません。

高校や中等教育学校で単位を履修し卒業した方は、2年の実務経験を積んだ後に免許登録が可能です。

また建築関係の学歴がなくても、ゼネコンやハウスメーカー、設計事務所などで国土交通省令が定める実務経験を7年以上積んでいれば、受験資格や免許登録資格を得ることができます。必要なものとして該当するのは下記の通りです。

• 建築物の設計
• 建築物の調査または評価
• 建築物の工事監理
• 建築工事の指導監督
• 建築工事を施工する際の技術上の管理
• 建築の教育・研究・開発やその他の業務
• 住宅行政・建築行政・都市計画行政

そのほかにも国家資格である建築設備士の資格保有者は二級建築士の受験資格や免許登録資格が得られます。ただし、建築設備士にも学歴や実務経験などの受験資格が必要です。

学科試験の合格に向け計画を立てて学習を

二級建築士資格は、まず最初に学科試験、その合格後に製図スキルを問う設計製図試験に合格することで取得できます。学科試験の出題内容は以下の通りです。

• 【学科I】建築計画……建築の歴史や設備、計画各論、環境工学
• 【学科II】建築法規……建築法規に関する選択肢の正誤を法令集により判断
• 【学科III】建築構造……各部構造、構造力学、材料
• 【学科IV】建築施工……施工計画、測量、各部工事、積算、契約

出題は五肢択一式で、4科目の配点はそれぞれ25点です。二級建築士の試験を運営する公益財団法人 建築技術教育普及センターの公式サイトで過去問をダウンロードできるため、繰り返し解いて試験問題に慣れておきましょう。

公益財団法人 建築技術教育服旧センター公式HP　二級建築士試験

5時間以内に設計製図を仕上げる練習も重要

学科試験に合格した場合、設計製図試験を受けるまでの有効期限は学科受験年を含めた5年間です。学科試験に受かってから設計製図試験を受験するまで、勉強する期間にゆとりをもたせることもできます。

設計製図試験は、試験開始の約3ヶ月前に課題が公表されるので、構造や入居人数、テーマなど指定の条件に合致したうえで法令に違反しない建築を考えておき、本番で5時間以内に設計製図を仕上げましょう。

過去の試験では「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅（木造 2 階建て）」や「シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい（木造 2 階建て）」など、細かい設定のある建築物などが出題されています。設計製図の過去問も公益財団法人 建築技術教育普及センターの公式サイトから入手できるため、課題の図面を時間内に描き上げる練習をしておきましょう。

受験資格を得るための転職も視野に

二級建築士の試験にチャレンジするための学習時間は、初学者の場合で約700時間が目安。勉強に費やせるのが1日1時間なら約2年、1日2時間でも約1年かかることになります。

学習期間が長期になることが想定されるため、試験に向け早めに備えておくことが大切です。また、現職のままだと受験資格を得るための実務経験を積めない方は、転職を視野に入れて準備を進めていきましょう。

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